モルタル外壁 塗装工程

外壁にはモルタルやALC、サイディング(窯業系・金属系)など様々な質と機能を持った外壁が存在します。
モルタルの場合の多くは左官仕上げの上に塗装が施されています。一番良く見かけるモルタル外壁の塗装は
リシンと呼ばれる砂粒状の物を吹き付けた塗装と吹き付けタイルと呼ばれる物が主流です。

モルタルは無機質セメントですので、塗装の場合必ず下塗り(エポキシシーラーなど)をした後で塗装します。
最近は微弾性フィラーと呼ばれる塗材があり、パターン形成&下塗りとして主流になってきました。
このフィラーは下地材といっても無機質セメントの上に直接は塗れません。シーラーが必要です。

ようするに無機質のうえに樹脂を塗る場合シーラーが必要。樹脂の上に樹脂であればフィラーが可能。
となります。

今回は築15年塗り替え歴なしの塗り替えです。珍しいのは新築時はコスト削減のため大抵は安価なアクリルリシンが主流ですが、
少しグレードの高い弾性リシンを使われていたことです。

では始めに高圧洗浄から入ります。屋根と違って外壁の場合は表面に塗膜が粉化したチョーキングという現象が起きます。
このチョーキングは名の通りチョークの粉のような感じで、年数が経った外壁には必ずと言っていいほど発生しています。
このチョーキング粉を綺麗に落とすには高圧洗浄がもっとも最適です。



←高圧洗浄中

ガン先についている物はゆうき装業自家製の飛散防止カバーです。

ちなみにTシャツもゆうき装業オリジナル。
(結構欲しいという方多いです。)




屋根と同時に洗っていきます。
1日かけて洗える所は全て洗います。




↓着工前に足場を架けメッシュシートで足場面を囲います。こうすることで落下防止や飛散防止になり近所迷惑対策に繋がります。




















クラック(ひび)はシーリングを充填します。

←のようにクラックの誘発目地がある場合はその目地にだけクラックが
出やすくなります。

弾性リシンという仕様と左官屋さんの腕がいいのか、クラックは殆ど
見受けられませんでした。

壁面にクラックがある場合は状況に応じてVカットします。
Vカットとはクラックに沿って亀裂を入れる作業です。
こうすることでシーリングの密着とクラックの再発をある程度抑える
ことが出来ます。





↓養生中。ガムテープとマスカー(ビニールがスカート状に広がる特殊なテープ)、マスキングテープを用いて養生します。
↓青いテープがマスキングテープです。捨てテープとも呼ばれ二重に養生します。(詳細は後で。)


















                                          ↑玄関や開ける所は開くように養生できます。
ペンキ屋の仕事は養生にかかっているといっても過言ではありません。それ位神経を使う仕事です。
勿論手先が器用な人程上手に出来ます。

下塗り
↓養生が終わるといざ塗り工事開始です。まずは下塗りである微弾性フィラーを砂骨ローラーで塗装していきます。
↓砂骨ローラーとはさざ波調のパターンを作る際に使う特殊なローラーです。(最近はホームセンターにも置かれています。)


















微弾性フィラーはメーカーにより異なりますが、大体規定の稀釈率で一缶10〜12u程しか塗れません。(砂骨ローラー使用時)
下地がリシンか吹き付けタイルか等でも異なります。単純に120uなら12缶使います。(計算して注文しても必ず余るか足りないかします。)

その上乾燥が速いため、ゆっくりと塗っていくと塗り継ぎムラが生じ仕上がりが悪くなります。同時にパターンムラも生じます。
最低でも二手に別れ段取良く塗っていくのが良いです。面積が大きければ大きいほど困難です。

全体に塗装した後は十分に乾燥させます。と、↓その前に先ほど貼ったマスキングテープ(捨てテープ)を剥がしていきます。


外壁の際(きわ)にのみ張っ貼ってありますので、下塗り後即座に剥がしていきます。


何の役割なのか?それは下塗り材の上に2回程上塗りをします。
このようなフィラーですと厚塗りをする為、最後に一気に養生撤去してしまうと
厚み分の白い塗料が見えてしまいます。











なのでマスカーやガムテープの緑部に捨てテープを二重貼りにして
下塗り後剥がすと←(アップ)のように若干の隙間が出ます。

そこに綺麗に上塗り材が侵入し外壁の際も綺麗に見えるわけです。

なので下塗りを厚付けする場合は必ず捨てテープを貼ります。



↓も同じくサッシの例です。下塗り後捨てテープを剥がし、
上塗りを塗って見栄えを良くします。
最後のバリ取り作業も楽になります。

















                            ↓施工前〜下塗り完了↓




































下塗りを全体的に塗装した後は上塗り塗料を塗ります。
↓写真の「C19−75D」という色が上塗り1回目の色です。続いてそれより濃い色(19−65D)が仕上げ色、つまり上塗り
↓2回目の色となります。


















なぜ1回目と2回目の色を変えるのか?正直1回目と2回目の色を変えるという行為は、手間がかかる上に残塗料も多く出てしまいます。
しかし違う色を使うことにより、きちんと2回塗りしたという決定的証拠に繋がります。施主様にもわかりやすいです。
2回塗りの仕様なはずなのに1回だけ塗って終わらした、という業者もたくさんいるのです。

施工する人間にも違う色を使うことにより塗り残しをなくす、というメリットもあります。当店の外壁塗装はほぼこの様な仕様となっております。
上塗り塗料は弱溶剤2液型シリコンです。耐候性、耐久性、低汚染性に優れた塗料です。価格もウレタンの倍近くします。

難しいことにただシリコン塗料といっても各社メーカーで価格も機能性も全然違います。安いシリコン塗料は“シリコン”という肩書きだけで
決して良い塗料とはいえません。

では上塗りに入ります。
                        ↓上塗り1回目〜2回目完了




































上記写真は左:上塗り1回目 右:上塗り2回目です。先ほどの色見本板写真を見てわかるように、2回目の色はもっと濃いはずでした。
勿論間違いなく2回目の色を(19−65D)塗っております。しかし面積が大きくなるにつれ色は明るく見えてきます。
しかも1回目と2回目を比べてもあまり違う色には見えません。
(塗料隠ぺいの都合上、色の差異は極力同系異色を用いて塗装します。)




しかし←こうすると違いは歴然です。



(←上塗り2回目施工中)

当店は基本的全て全て手塗り工事となります。
ローラーと刷毛で塗装していきます。


軒天の養生はマスキングテープ1本になっています。
この時すでに軒天の塗装が完了している為マスカーの使用を
念のため控えました。






上塗り1回目の乾燥後2回目を塗装し、外壁の塗装は完了となります。
乾燥時間もメーカーの指定時間を厳守します。

                            施工前〜施工後






















































                                    外壁施工後


















←仕上げのアップ

吹き付けリシンから一変して光沢のある綺麗な
さざ波調へと変わりました。



これが最近主流の砂骨ローラー特有の模様です。

さざ波とかマスチック等と呼ばれています。


艶の有り無しや調整も出来ますが、外壁なら100%艶ありの方が
個人的には好きです。






上記が外壁塗装の工程となります。吹き付けタイルやヘッドカットと呼ばれるパターンを造るには、また違った工程となります。

なんにせよ外壁塗装をする場合はメンテナンスがかからないよう、極力長持ち・機能性に優れた塗料を使うことをお勧めします。
良い塗料を良く使うには現場で塗装する職人にかかっていますので、施工の際は施工者との十分な打ち合わせをして下さい。
セールスマンのなかには施工要領や塗料のことは素人に近い方もいますので、施主様自身がある程度の知識を覚えることも必要な
時代になりつつあります。

塗装工事は仕上げの仕事です。施工後は誰でも見て触って比較できます。だからこそ徹底的に神経を使い褒めて頂ける施工に
取り組んでおります。
だからこそ御紹介のお客様は大変貴重な存在となります。