2液型塗料のポットライフについて|塗装の知識
現場で使用される塗料には、下塗りでも上塗りでも2液型の塗料と言うものが存在します。
主剤と硬化剤を混ぜて生成するのが2液型の塗料です。
この2液型塗料も硬化剤との割合が、15:1や8:1など比率もメーカー各種様々です。
これを正確に分量して混ぜないと硬化しないのか?というと実はそうでもなくて、目方で混ぜても普通に硬化はします。
ただしその塗料の性能が十分に発揮しているかどうかは不問ですが…。
正確に混ぜる方が無難ですね。
さてこの2液型塗料にはもう一つ注意事項があって、ポットライフと言われる使用可能時間が存在します。
これを可使時間と言います。
混合してから使い切るまでの時間があるのです。
例えば関西ペイントのセラMシリコンの場合、可使時間は5時間と表記されております。
ググればすぐに出てきます。
つまりこの5時間以内に使い切ってくださいね、という指示です。
これを超えるとどんどん硬化が始まり粘度が高くなります。
そんなものを塗っていると、塗膜が厚くなってしまい将来バリバリにヒビが入ったり剥がれたりと何かしらの不具合が起きてしまいます。
また、塗料にはインターバルというものもあり、これもメーカー様々ですが、下塗りと中塗り、上塗りそれぞれに、〇〇以上〇〇以内に塗装しなさいと記載されております。
例えば錆止めを塗ってから5日以内に上塗りしてね、とか中塗りと上塗りは7日以内に行ってね、という指示です。
そうしないと塗膜同士が密着しない傾向にあるのです。
錆止めに関してはエポキシ系が多いのですが、エポキシ樹脂は紫外線に弱く対候性というものを持ち合わせておりません。
そのため長期の暴露には不向きなのです。
エポキシ系の下塗りを行ったらなるべく早く上塗り工程に入りたいものですね。
このように、塗料にはインターバルやポットライフという言葉が存在し、それらを守る事で性能を発揮します。
特に2液型の塗料は攪拌不足や希釈割合など、ただ塗るだけでも色んな作業や知識が必要となるため注意が必要ですね。
各メーカー、各塗料ですべて時間が違うので、カタログをキチンと見ながら使うようにしましょう。
塗装工事には塗る技術よりも、実は塗るための知識の方がめちゃくちゃ重要なのです。