雨漏り、すが漏れ、水漏れの違い
結城 伸太郎
建物の経年劣化や施工不良などが原因で、内部に水が浸入することがありますが、その侵入経路は様々です。
一番馴染みのある言葉は「雨漏り」かと思いますが、その他にも種類があるので、このページでは水が侵入する現象と違いについて紹介します。
水が建物内部へ侵入する現象は3種類ある
建物内部へ水が侵入する現象は、3種類あり「雨漏り」「すが漏れ」「水漏れ」に分類されます。
建物内部に水が侵入すると真っ先に雨漏りを疑いますが、実は雨漏り以外に原因がある可能性も考えられるので、それぞれの特徴について知っておくことが大切です。
雨漏り | すが漏れ | 水漏れ | |
---|---|---|---|
起因 | 雨 | 雪 | 生活水 |
侵入経路 | 屋根・外壁・サッシ周りなど | 屋根 | 排水管 |
原因 | 経年劣化・施工不良・破損など | 凍結した雪解け水による水のせき止め | 老朽化・施工不良など |
雨漏りの特徴
雨漏りとは、外壁や屋根、サッシ周りなどの建物外部から内部に雨水が侵入することで、雨の日や雨が降った翌日に症状が現れます。
■雨漏りの原因
主な原因は経年劣化や施工不良で、経年劣化の場合は外壁や屋根のひび割れ、剥がれなどの破損した部分から雨水が浸入してしまいます。また、屋上やベランダの防水効果が失われて、雨漏りが発生することもあります。
施工不良の場合は、新築時やリフォーム時に適正な施工が行われず、防水性が発揮されなかったり、外壁や屋根に隙間ができてしまうことによって発生します。
すが漏れの特徴
すが漏れは屋根や軒天に積もった雪が原因で起きる現象で、雪の時期だけ症状が現れます。雪が降る地域ではつららを見かけることがありますが、つららも屋根の雪が溶けて凍結したものです。
対策としては屋根の雪下ろしをすることで改善されますが、軒先の劣化が進んでいる場合は業者に見てもらう必要があります。
■すが漏れの原因
すが漏れが発生する理由としては、溶けた雪が凍結して水をせき止めてしまい、その部分に行き場のなくなった水が溜まって、屋根材の隙間から建物内部に水が侵入してしまうのが原因です。主に茅負と呼ばれる部位が酷く劣化している場合が多いです。
水漏れの特徴
水漏れは生活水が建物内部に漏れることで、例えば以下のようなことがある場合は、水漏れしている可能性があります。
・水道を使用していないのに、メーターが回っている
・水道料金が高くなった
・雨が降っていないのに、水道管があると思われる場所が湿っている
・キッチン下の収納が湿っていたり、床が柔らかくなっている
■原因
水漏れの原因は、老朽化や施工不良によって排水管が不具合を起こし、水が漏れてしまうことが考えられます。
まとめ
建物内部に水が浸入する現象には「雨漏り」「すが漏れ」「水漏れ」の3種類あり、それぞれ発生する原因や箇所も異なります。
もし家でシミや濡れているところがある場合は、そのときの状況や場所を確認して、適切な対応をするようにしましょう。