外周フェンスの効果、種類や特徴の基礎知識
結城 伸太郎
フェンスは、主に防犯機能やプライベートな空間を作るのに役立ちます。
施工も容易で、アルミフェンスにおいてはメンテナンス不要です。デザインや形も様々あるので家の景観に合う製品を選ぶことが可能です。
このページでは、フェンスのしくみやメリット、機能などの基礎知識を紹介していきます。
フェンスの機能や目的
フェンスを設置することで「目隠し」「防犯」「防風」の効果が得られます。
■目隠し
家族とのプライベートな空間を作ることが出来る。
■防犯
高さによっては乗り越えるのが困難であり、心理的な防犯機能としても役立ちます。
■防風
フェンスには防風効果もあり、排ガスや土埃などを防ぐ事があります。また光や日照も遮る効果もあります。
■敷地の境界線
フェンスを設置する事で敷地領域が明確になります。左の写真は、隣で分譲工事が始まり、今後の防犯と境界を明確にするために施工した事例です。
フェンスのデザイン(形状)種類と特徴
完全目隠し
完全目隠しは、よりプライベートな空間を作ることが出来ます。例えば、洗濯物やティータイムも人の目を気にせず楽しむことが出来ます。また、高さを自由に変える事も可能なので半分目隠しにしたり一部のみ完全目隠しにしたりと用途によって施工が可能です。
ただし、防風に関しては面積が広くなればなるほど、大きな風圧に耐えなければなりませんので施工や設計に注意が必要です。
目透かし
目透かしフェンスは、完全目隠しと違い風を入れる隙間があります。強い風でも風を通すことにより倒れる心配も減ります。
また、外を見ることが出来るので完全に隔離された圧迫感は無くなります。目透かしフェンスも自由に高さを変えることが出来ます。
ルーバー
ルーバーは、主に防犯機能として働きます。外部からの視線は遮る事は出来ませんが、窓に取り付けたりブロック塀と抱き合わせる事により外部からの侵入を防ぐことが出来ます。また、ネットフェンスと呼ばれるネット状のフェンスもあります。
ネットフェンスは価格が一番安い製品なので簡易な敷地境界設置にはよく使われています。
フェンスで使われる素材
フェンスで使われる素材は、主に5種類あり、価格帯は「スチール<アルミ<木製<樹脂<鋳物」の順番に高くなります。
スチール
■メリット
・工場で自由に製作が可能
・既製品においてもバリエーション豊富で価格帯も安め
■デメリット
・錆び、塗装剥がれがあるので定期的な塗装メンテナンスが必要
・重量が重い
アルミ形材
■メリット
・軽量で錆びないメンテナンス不要の製品
・デザイン豊富で価格も安定しているのでスタンダードな製品
・ある程度自由に加工できる
■デメリット
・強度が弱く、簡単な衝撃でへこんだり傷つく
・曲がった場合は復旧が困難となります。
木製(和風・竹垣)
■メリット
・自由に加工、裁断ができ、部分補修も行える
・定期的な塗装をすれば長持ちする
・日本家屋によく合い、木の柔らかいイメージが得られる
■デメリット
・塗装メンテナンスが必要(竹の場合不要)
・木材により価格が大きく違う
樹脂系
■メリット
・軽くて丈夫
・錆びないので塗装は不要
■デメリット
・アルミフェンスほどのデザインがない
・価格が高い(アルミフェンスの2~4倍)
・自由に加工が出来ない。
アルミ鋳物
■メリット
・軽量で錆びずらい
・デザイン制が高い
・アルミよりも強度が強く曲がりずらい
■デメリット
・表面は塗装仕上げになているため塗装が剥がれる(ティーキングが発生する)
・定期的な手入れが必要
・デザインが決まっている。
フェンスの構造
フェンスは幅広く使われる事が分かりましたが、その構造としては薄い点が挙げられます。この薄いフェンスを自立させるにはやはりしっかりとした基礎が必要です。
フェンスを建てる場合は足元に以下の基礎が必要です。
基礎ブロック
フェンスの支柱の本数分、地中に既製品の基礎ブロックを埋めて足元を固める方法で、工事価格も安く抑える事が出来ます。一番簡易的で足元がスッキリします。
ブロック塀
右の写真は、ブロック二段にイーネットフェンスを施工した例です。
ブロックの穴を利用してフェンスの支柱を埋めるやり方です。敷地境界として作ったブロックを利用して取り付けたり、フェンス用にブロックを積み上げフェンスの面積を小さくする事もできます。
例:ブロック高さ1m+フェンス1.2m=2.2m
コンクリート擁壁
右の写真は、現場打コンクリートにアルミフェンスを設置した例です(ルシアスフェンス)。
型枠を使い現場打コンクリートで、固めた基礎にフェンスを設置するやり方で、予め支柱を埋め込むホールを作っておき、そこに支柱を埋めて固定させます。より強固なつくりとなります。
フェンスを作る際のポイント
フェンスの施工は種類により様々ですが、基礎がしっかりしていないと風圧で倒れてしまいますので注意が必要です。
既製品でも加工して連続的に取り付けることが出来るものや、柱の位置が決まっていて加工が出来なものもあります。ご要望の高さによっては基礎の高さで調整して合わせる必要も出てきます。
どの目線までの高さが必要なのかをしっかりと伝え、それに合わせた製品を選択する必要があります。また、メンテナンスの必要性やデザインなどもしっかりと認識するべきかとおもいます。
エクステリアでは顔になる部分でもありますので、景観に合わせ建物とマッチした素敵なフェンスを手に入れてください。
まとめ
フェンスは、プライベート空間、防風、防塵、敷地境界、日照遮断の用途で設置します。デザインが豊富であり、家の景観をより美しくすることが出来ます。
フェンスには、目隠し、目透かし、ルーバー、ネットフェンスなどの種類があります。
フェンスに使われる素材には、アルミ、鋳物、木製、樹脂、スチールがあり、価格帯は「スチール<アルミ<木製<樹脂<鋳物」の順番に高くなります。
フェンス建てる基礎には、基礎ブロック、ブロック塀、現場打コンクリートがあります。