雨漏りとシロアリの関係、駆除・防除費用の相場
結城 伸太郎
シロアリは家の中の木材を食べてしまうため、放っておくと壁や柱などの中がスカスカな状態になり、最悪の場合は倒壊するほどの威力があります。
シロアリが発生するのは雨漏りと大きく関りがあるので、関係性や及ぼす被害などについて知っておくことが大切です。
このページでは、雨漏りとシロアリの関係や駆除費用などについて紹介します。
雨漏りとシロアリの密接な関係
シロアリと雨漏りの関係について知らない方も多いかと思いますが、実はシロアリが発生する原因は、約80%が雨漏りです。
理由としては、シロアリは湿った木材を好む習性があるので、雨漏りしている建物はシロアリが繁殖しやすい環境になってしまうためです。
シロアリが繁殖しやすい環境
前述の通り、シロアリは湿気がある環境で繁殖するため、例えば床下が40cm未満で風通しが悪い家や周辺に川や池がある場合は、湿気が溜まりやすくシロアリが発生しやすい環境と言えます。
また、シロアリはホワイトウッドやスプルース、エゾマツなどの木材を好み、さらに木材の部位によっても水分量が変わるため、水分量が多い辺材もシロアリが発生しやすくなります。
対策としては、シロアリが好まないチークやヒノキ、ヒバなどの木材を使用したり、水分量が少ない心材を使用するのが有効とされています。
シロアリの侵入経路
シロアリは主に土の中から床下へと侵入しますが、さらに以下のような侵入経路もあるので注意が必要です。
・基礎の立ち上がりを這い上がって侵入
・基礎の打ち継ぎ等のひび割れした部分から
・配管貫通部などの隙間から
・玄関タイル下や玄関ポーチの土間から
シロアリが発生しているサイン
■蟻道がある
蟻道とはシロアリが建物内に侵入するために、土や排泄物などで作ったトンネルのことで、床下や基礎部分に見られることが多いです。蟻道を見つけた場合、少しだけ壊してシロアリが生息しているか確認することもできますが、全て壊してしまうと、侵入経路や被害範囲が判断できなくなるので注意しましょう。
■建物内を叩くと乾いた音がする
壁や柱など叩いて乾いた音がする場合は、中の木材をシロアリが食べてしまい、スカスカになっている可能性があります。
■羽アリが発生している
シロアリの種類にもよりますが、4月~6月頃または6月~7月頃は、シロアリが羽アリとなって発生する時期となります。そのため、羽アリを見つけた場合は、すでに建物内にシロアリが浸入している場合があります。
■床に糞が落ちている
家の床に糞が落ちている場合は、シロアリの糞の可能性があります。これはシロアリが発生している証拠ですので、見つけたら専門の業者に相談しましょう。
シロアリによる建物の被害
シロアリによる被害は建物に大きな影響を与え、柱や建物内の木材に小さな穴が空いたり、サイディングボードなどの外壁が剥がれてしまう恐れがあります。
さらにシロアリによって建物内が空洞化すると、耐震性が低下して地震などで建物が倒壊してしまう危険もあり、実際にシロアリ被害によって倒壊したケースが確認されています。
シロアリによる被害が大きいと大規模で高額なリフォームが必要になり、床下全体がボロボロになっていたり、柱や基礎が破壊されている場合などは、何百万と費用がかかることもあります。
また、キッチンや浴槽などもシロアリによって破壊されることがあり、大掛かりなリフォーム工事が必要となるケースもあります。
シロアリ駆除費用の相場
1㎡あたりの単価は、大手業者・農協が3,000円前後、地元の業者が1,800~3,000円前後です。
シロアリの発生を予防する対策
対策としては、まずシロアリ発生の原因となる雨漏りや水漏れを放置せず、しっかりと対処することが大切です。雨漏りや水漏れを放っておくと建物や木材が湿って、シロアリにとって過ごしやすく快適な環境となってしまいます。
また、日ごろ生活するうえでは、防湿対策をしたり定期的に換気をするなどして、湿気を溜め込まないように注意しましょう。
まとめ
シロアリ発生の原因はほとんどが雨漏りによるもので、シロアリは雨漏りで湿った木材を食べてしまい、最悪の場合は建物が倒壊してしまう危険性もあります。
雨漏りを発見したらすぐに修理をして、シロアリが好む環境を作らないようにしましょう。また、日ごろから換気するなどして、湿気を溜め込まないように心がけることも大切です。