無足場工法でのアパート・マンション修繕について
結城 伸太郎
いずれも現場ごとに様々使い分けていますので、各種建物に自由に対応できます。
確かに足場を組んで作業する方がはるかに効率がいいのですが、時の場合によっては足場自体が無駄な経費になる事もあるので、やはり使い分ける必要性はあるかと思います。
とりあえずある程度しぼって考えると…
1|全改修工事(塗装・防水・耐震など)=足場仮説必須
2|打診調査(浮き部・クラックの調査)=ゴンドラ
3|外壁洗浄(バイオ洗浄・タイル洗浄)=ゴンドラor高所作業車
4|部分的な塗装やクラック補修=ゴンドラor高所作業車
5|ガラスクリーニング=ゴンドラ
と、こんな感じで考えています。しかしこれはあくまで箱物(大規模物件)の考えであり、一般住宅ではせいぜい高所作業車を使う位(補修的に)でしょうか…。
マンションやビルオーナー様は工事前に色々な選択肢から打ち合わせを行い、何が一番適切かを一緒に考える事が大事だと思います。
経費削減も大事な事ですが、工事の際は近隣の迷惑・騒音・安全確認も同時に考える事が一番大事です。それと、このサイトを通じて工事の内容やチェックポイントも把握して頂ければ幸いです。
無足場工法とは?
アパートやマンション・ビル等の大規模な建物は、改修するとしても多大な費用が掛かってしまいます。かといって何もメンテナンスしないと建物が古く見え、あちこちにヒビや色褪せが出てきます。タイルの場合は汚れが目立ち汚い建物に見えがちです。
そこで、数年に一度大規模な改修工事を行い、悪い所を全て点検しながら新築同様に復元していきます。悪い所というのは細かく説明しますと以下の項目があります。
■1.クラック(ひび割れ)からの漏水と鉄筋の腐食。タイルの欠損や欠落
これらは構造体まで悪くしてしまう為重要度は高い方です。タイルが落ちて入居者への危険も考えられます。
■2.防水面(屋上やベランダ)の剥離や膨れ、割れ等
ここも構造体内部まで侵される恐れがあるので重要な項目です。部屋の雨漏りも出てきます。
■3.外壁塗装面の白亜化(チョーキング)
新築時に塗装を行った箇所は必ずといっていい程色褪せしてきます。防水効果は無くなり、建物を古く見せてしまいがちです。美観により入居率も変わってくるでしょう。
■4.鉄部の錆
共用部や階段に用いられる鉄柵や手摺、玄関ドア等は錆が発生します。錆が侵食し腐ってしまうと塗り替えでは済まないので、必然的に費用も多く掛かってしまいます。
このように各部が古くなると同時にそれだけ改修費用も多くなります。
住宅の塗り替えの様にはいきません。いざ改修を始める場合、要所要所で直そうとするとその都度経費や足場代が付いてきます。足場がないと外壁の打診調査もできないし、目視点検も行えません。
同時に工事に掛かる費用が把握でないわけです。あくまで予想の見積もりしか出来ないのです。しかし、ここで役に立つのが無足場工法なのです。無足場とは名の通り足場を要せず点検を行える設備の事です。
ゴンドラによる目視点検、打診調査で悪い所だけ直す事も点検する事もできます。点検の際は図面へ書き込み、見積もり書も正確に出せる事が可能です。ゴンドラ以外に高所作業車も使う事があります。
いずれも人間が高い所まで上がっていき、直接手で触って確認することが出来るのです。例えばタイルにひびが目立ち今にも落ちてきそうな場合でも、わざわざ足場を仮設しなくとも補修が容易に行えるのです。
全面改修を余儀なくされた場合は、やはり足場を組んだ方が良いと思いますが、上記のようにピンポイントで直していく場合は大変貴重な設備となります。
一度に多大な費用を掛けるより数年に一度各部を点検し、部分的に直す事も経済的には良いと思います。では、無足場とは主にどんな設備でしょうか?実際に行った現場を写真入りで解説したいと思います。
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ここはレンガ調のタイルでした。この様に箱型ゴンドラで調査しました。
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結果この様に目地のシーリングの劣化などが多々見られました。この現場はシーリング打ち直しとタイルの浮きに樹脂注入を行いました。
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ここもタイルの診断の現場。打診棒を使い浮きのチェックをしています。
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これが打診棒。図面片手に記入していきました。
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箱型ゴンドラで洗浄中。
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チアー型ゴンドラにて洗浄中。この現場は洗浄だけで綺麗にしました。
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チアー型ゴンドラで外壁塗装中。足場が組めない現場でした。
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養生や段取りが大変な現場ですが、すべてゴンドラのみで塗り替えました。
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高所作業車で高圧洗浄中。塗装前の前洗いです。
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洗浄後外壁全体を塗装しました。
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ここもマンションの塗装工事です。チアー型と箱型を併用して作業しました。
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ALC外壁の洗浄中。洗浄後撥水コート処理した現場です。
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外壁以外にガラスの洗浄もしました。
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高所作業車でタンクの外面を塗装した現場です。