新鉛温泉旅館外壁改修工事｜高耐久外壁塗装無足場ゴンドラ併用

結城伸太郎

外壁改修工事無足場ゴンドラ併用施工高付加価値事業補助金山形仙台岩手福島

花巻市新鉛温泉の四つ星ホテル令和４年高付加価値事業補助金を採択し施工した外壁改修工事事例です

ホームページからのお問い合わせで施工させて頂きました。

足場で景色が見えなくなるのは苦しいとの事で、元々はすべてゴンドラで施工したいという要望でした。
現場を確認すると、どうしても掛けられない面などがありましたが、一番景色を堪能したい面は何とかゴンドラを設置するよう計画し施工しました。
かなり難関だったと思いますが、そこは弊社の経験が活かされたと思っています。

塗装前の下地処理も多く、全面をあらかじめ調査しマーキングを行い、樹脂注入、シーリング補修、モルタル補修など施工しました。

全面を一気に足場架けると客間からの景色がすべて遮断されるので、面ごとに計画。
ゴンドラ面の南面は景色が見えるので、東と南面を先に進めました。

２面が完了した後西面を足場組み、施工を完了させました。

旅館の工事で一番気を付けるべきポイントは宿泊者との接触です。
なるべく接触しない様、１０時～１５時に一気に進め、それ以外は窓や客室から離れた個所を施工したり臨機応変に対応しました。

外壁改修は高付加価値補助金も使えてお得に改修出来ました。

使用材料：
外壁：ボンフロン水性GT-SR　　19-60H
軒天：ダイナミックノキエ　　19-60H
屋根：スーパーシリコンルーフ艶消し　　新ブラウン
鉄部：セラMシリコン　　05-30B
バルコニー防水：GO-JIN　　D1グレー
シーリング：MS２５００NB
エポキシ注入材：ジョリエース
木部：オスモワンコートオンリー　　ヘムロックファー

外壁面積は4000平米くらいで、軒天を合わせると塗り面積は６０００平米を超えました。

施工前後の写真

施工前

施工後

建物種別	ホテル
階数	9階建

どんな建物にもゴンドラは設置できますか？: 屋上の形状により出来ない事もあります。
特に最屋上が普通のトタン屋根などですと出来ない事も多いです。
それとバルコニーが外壁よりもかなり出っ張っていたり、屋上から最下層まで段違いになっていたりすると難しくなります。
理想的なのは屋上から最下層までストンと垂直に下りている外壁だと、設置できる可能性が高くなります。

写真ギャラリー

東面（庭園側）

東面外部足場仮設　施工前

東面は仮設足場を組んで施工します。
基本的に営業中なので、チェックイン、チェックアウトの時間に気を配りながら施工を進めます。

旅館のリニューアル工事はこういう所に神経を使いますので、その点も考慮しつつ工程を作らないといけません。
東面（庭園側）

今回仮設足場は非常に難関です。

この写真は足場が組みあがった後の上層からの写真ですが、図のように青丸に仮設部材を仮置きし、手運搬で赤ルートを運ばねばなりません。

搬入経路が非常に長く難儀しました。
クレーンなども入れないので基本的に人海戦術で運搬しております。
東面（庭園側）

搬入経路の橋です。

こう見ると長いですよね。
東面（庭園側）

青丸部の足場の仮置き場です。

ここから小運搬をし続けます。

体力のいる仕事です。
本当に足場屋さんはすごいですね。
東面（庭園側）

東面外部足場仮設　施工後

まるで要塞のようです。

客室から景色が一切見えなくなってしまいました。
お客様には本当にご迷惑お掛けしますが、旅館側からもホームページなどで通達しておりました。

なので工程通りにしっかり完了させないとさらにご迷惑をおかけしてしまします。責任問題です。
東面（庭園側）

下地処理クラック補修　施工前

クラックや欠損部などすべてをマーキングしていきます。
マーキングしながら図面に書き出ししています。
東面（庭園側）

下地処理クラック補修　施工後

クラック（ひび割れ）は幅によって工法が変わります。
基本的に１ミリ以下のものは写真のように注射器のような部材を用いてエポキシ樹脂注入して躯体を活性化させます。
東面（庭園側）

下地処理欠損部補修　施工前

このようなRC躯体の欠損部はモルタルで補修するしかありません。

こちらもマーキングして図面に書き出し施工しやすいように工夫しています。
東面（庭園側）

下地処理欠損部補修　施工後

樹脂モルタルで補修しました。
このあとに塗装すればほぼ補修跡は見えなくなります。
東面（庭園側）

外壁誘発目地シーリング　施工

誘発目地とはRC躯体のコールドジョイントと呼ばれるコンクリートの打ち継ぎ部にわざと目地を設けたものです。
この目地をわざと設けることにより、地震で揺れた時にこの目地に動きが集中するよう働きます。
東面（庭園側）

外壁誘発目地シーリング　施工後

誘発目地を新しく変成シリコンシーリングを充填しました。

動きに強いゴム状のシーリングです。
東面（庭園側）

サッシ廻りシーリング　施工前

サッシ廻りもすべてシーリングを打ち替えしました。

古くて硬くなった既存のシーリングを撤去します。
東面（庭園側）

サッシ廻りシーリング　施工後

撤去したところに新しくシーリング材を充填します。

下地処理、シーリング工事まで完了すると次は塗装工事へ移ります。
東面（庭園側）

外壁塗装工事　施工前

下地処理が終わった面から塗装の工程に進んでいきます。
東面（庭園側）

外壁塗装工事　高圧洗浄

まずは全面を高圧洗浄機でまんべんなく洗います。
東面（庭園側）

外壁は下塗り１回、上塗り２回の工程です。

下塗りは微弾性フィラーと呼ばれる下塗り材を砂骨ローラーでパターン付けしながら塗装する事になりました。
東面（庭園側）

外壁塗装工事　施工後

上塗りを２回塗布し養生を剥がして完了です。
東面（庭園側）

今回外壁に使用した塗料は「ボンフロン」と呼ばれる耐久性の良いフッ素塗料です。

このボンフロンはAGC（旭硝子）というメーカーで作られていて、日本では古くから使われている歴史ある塗料です。
耐久性や信頼性は国内一と言えます。

また水性塗料なので嫌な臭いもせず旅館などで使用しても問題ありません。
東面（庭園側）

軒天塗装工事　施工前

軒天はRC造でリシンが吹き付けられています。
東面（庭園側）

軒天塗装中

軒天はダイナミックノキエという軒天用塗料を2回塗り仕上げました。
東面（庭園側）

軒天塗装工事　施工後

外壁と同じ色を指定しています。
東面（庭園側）

軒天に使用した材料、ダイナミックノキエ。
東面（庭園側）

東面　屋根塗装　高圧洗浄

各フロアにトタン屋根も存在しており、トタン屋根も塗装する事になっています。
東面（庭園側）

東面　屋根塗装　エポキシ錆止め下塗り

密着性、防錆効果を付与するためエポキシ樹脂錆止めを下塗りしています。
東面（庭園側）

東面　屋根塗装　施工後

屋根はエポキシ錆止め下塗り後シリコン樹脂塗料で仕上げています。
東面（庭園側）

東面　バルコニーウレタン防水　施工前

各フロアに存在するバルコニーもRCで防水は未施工状態でした。
東面（庭園側）

バルコニーにはアルミ手摺があり、この支柱部分ほとんど、下部が著しく損傷していました。

これはアルミ手摺の支柱の中が空洞となっており、水が入るとその逃げ場が無くなるため、冬季に凍結を起こし膨張し、コンクリート部分が欠損するのだと考えられます。
東面（庭園側）

アルミ手摺支柱部分モルタル補修
東面（庭園側）

東面　バルコニーウレタン防水　施工後

ウレタン塗膜防水で仕上げました。

防水が未施工だったせいか、躯体下地の欠損が多くモルタル補修がかなりありました。
東面（庭園側）

最後に支柱部分全てにこうした穴を開け、水を逃がすようにしました。
これで凍害での爆裂は減るかと思います。

アルミ手摺は結局連結されている品物であり、連結部の隙間からは雨水が浸入する設計となっています。

一般住宅のベランダの手すりも同じ仕様なので注意が必要です。
東面（庭園側）

東面　鉄部塗装　施工前
東面（庭園側）

東面　鉄部塗装　施工後
東面（庭園側）

東面　木部オスモ塗装　施工前
東面（庭園側）

東面　木部オスモ塗装　施工後
東面（庭園側）

東面　全景　施工前
東面（庭園側）

東面　全景　施工後

ビフォーアフターを見ると違いは歴然です。
見える箇所はすべて塗装しています。
東面（庭園側）

東面　全景　施工前
東面（庭園側）

東面　全景　施工後

綺麗に生まれ変わりました。
足場の解体は上階から降ろしながら壁つなぎの補修を相番しつつ施工してきます。
東面（庭園側）

空撮

こうしてみると大きさに圧巻です。
南面（ゴンドラ施工面）

南面　外部ゴンドラ仮設　施工前

南面は客間からの景色が一番良いらしく、どうしても足場で見えなくなるのはお客様へ申し訳ないとの事で、何とかゴンドラで施工出来ないかという依頼でした。
南面（ゴンドラ施工面）

南面　外部ゴンドラ仮設　

何回も下見を行い、ゴンドラで施工する事を決意。
なかなかアクロバティックな計画でしたが、要望に応えるよう安全に計画しました。
南面（ゴンドラ施工面）

南面　外部ゴンドラ仮設　

最上階が屋根となっているので、ちょっと特殊な構造のゴンドラを使います。
南面（ゴンドラ施工面）

南面　外部ゴンドラ仮設　

南面だけこのように垂直な壁面なので、ゴンドラが活かされます。
足場を組むと搬入も一苦労なので何百万と掛かります。
南面（ゴンドラ施工面）

南面　外部ゴンドラ仮設　

無事設置が完了し、スタート出来ました。
南面（ゴンドラ施工面）

南面　下地処理欠損部補修　施工前
南面（ゴンドラ施工面）

南面　下地処理欠損部補修　施工後

東面同様、施工前に傷んだ躯体をすべてマーキングしています。
南面（ゴンドラ施工面）

南面　下地処理クラック補修　施工前
南面（ゴンドラ施工面）

南面　下地処理クラック補修　施工後

自動エポキシ樹脂注入工法です。
南面（ゴンドラ施工面）

南面　下地処理クラック補修　施工後

自動エポキシ樹脂注入工法です。
南面（ゴンドラ施工面）

南面　誘発目地シーリング工事　施工前
南面（ゴンドラ施工面）

南面　誘発目地シーリング工事　施工後
南面（ゴンドラ施工面）

南面　サッシ廻りシーリング工事　施工前
南面（ゴンドラ施工面）

南面　サッシ廻りシーリング工事　施工後
南面（ゴンドラ施工面）

南面　外壁塗装工事　施工前
南面（ゴンドラ施工面）

南面　外壁塗装工事　微弾性フィラー下塗り後
南面（ゴンドラ施工面）

南面　外壁塗装工事　ボンフロン塗装後
南面（ゴンドラ施工面）

南面　軒天塗装工事　施工前
南面（ゴンドラ施工面）

南面　軒天塗装工事　施工後

見えづらいですが、これもゴンドラから塗装しています。
南面（ゴンドラ施工面）

南面　バルコニー防水　施工前
南面（ゴンドラ施工面）

南面　バルコニー防水　施工後
南面（ゴンドラ施工面）

南面　屋根塗装　施工前
南面（ゴンドラ施工面）

南面　屋根塗装　施工後
南面（ゴンドラ施工面）

南面　鉄部塗装　施工前
南面（ゴンドラ施工面）

南面　鉄部塗装　施工後
南面（ゴンドラ施工面）

塔屋　タラップ交換　施工前
南面（ゴンドラ施工面）

塔屋　タラップ交換　施工後

タラップは腐食が激しかったのでステンレス製もものに交換しました。
南面（ゴンドラ施工面）

西面　エキスパンジョイント交換　施工前
南面（ゴンドラ施工面）

西面　エキスパンジョイント交換　施工後

こちらのエキスパンジョイントもスチール製で腐食していたのでステンレス製に交換しました。
エキスパンジョイントは完全オーダーで作成しました。
南面（ゴンドラ施工面）

南面　全景　施工前
南面（ゴンドラ施工面）

南面　全景　施工後

この高さをゴンドラで施工したので、足場の費用の半分以下に抑える事が出来ました。

すべての面でゴンドラを希望されていましたが、ほかの面は屋上の形状で設置できない事が分かり断念しました。
西面（正面入り口側）

西面　外部足場仮設　施工前
西面（正面入り口側）

西面　外部足場仮設　施工後

西面が正面玄関になります。
この面が足場のメッシュで隠れてしまうのは、やはり施主様としては不本意であると思います。
西面（正面入り口側）

西面　外部足場仮設　施工後
西面（正面入り口側）

西面　下地処理欠損部補修　施工前

躯体の損傷が著しいところもあり、そう言った所は精密に補修しています。
西面（正面入り口側）

西面　下地処理欠損部補修　施工後

綺麗によみがえりました。
西面（正面入り口側）

西面　下地処理クラック補修　施工前
西面（正面入り口側）

西面　下地処理クラック補修　施工後
西面（正面入り口側）

西面　誘発目地シーリング工事　施工前
西面（正面入り口側）

西面　誘発目地シーリング工事　施工後

南東面と同様に仕上げています。
西面（正面入り口側）

西面　サッシ廻りシーリング工事　施工前
西面（正面入り口側）

西面　サッシ廻りシーリング工事　施工後
西面（正面入り口側）

西面　外壁塗装工事　施工前
西面（正面入り口側）

西面　外壁塗装工事　施工後
西面（正面入り口側）

西面　軒天塗装工事　施工前
西面（正面入り口側）

西面　軒天塗装工事　施工後
西面（正面入り口側）

西面　鉄部塗装　施工前
西面（正面入り口側）

西面　鉄部塗装　施工後
西面（正面入り口側）

西面　バルコニー防水　施工前
西面（正面入り口側）

西面　バルコニー防水　施工後
西面（正面入り口側）

西面　屋根塗装　施工前
西面（正面入り口側）

西面　屋根塗装　施工後
西面（正面入り口側）

西面　全景　施工前
西面（正面入り口側）

西面　全景　施工後
施工完了

東面外壁完了全景
施工完了

東面外壁完了全景
施工完了

東面外壁完了全景
施工完了

東面外壁完了

防鳥ネットは一度取り外してから塗装し復旧しました。
施工完了

東面外壁完了
施工完了

外壁塗装後アップ

リシン模様からさざ波模様パターンへ変更
施工完了

塔屋外壁完了
施工完了

南面外壁完了
施工完了

西面外壁完了
施工完了

西面外壁完了
施工完了

バルコニー防水完了
施工完了

バルコニー防水完了