エクステリアとは?外構との違いや工事の基礎知識について
結城 伸太郎
エクステリアと外構は違います。また、造園と外構工事も違います。しかし、工事を総称し外構工事と呼ぶことが多いです。
ここでは、エクステリアと外構の定義の違いを説明して行きます。
エクステリアとは?
エクステリアは、お家の顔となる外回りの装飾を指します。家を建てると内装に拘る事も大切ですが、外から見るわが家をさらに引き立てるのもエクステリアの役割です。
想像してみてください。夜、家に着きふと我が家を見上げた時、柔らかい間接照明に外壁が照らされ、窓から漏れる照明で庭のウッドデッキも優しく迎えます。木目調のフェンスの向こう側から聞こえる子供たちの声。
アルミ製の門を開けると玄関までのアプローチを華々しく演出するライトが庭の花々を優しく彩ります。思わず手を差し伸べたくなる柔らかい手摺とオシャレなポスト。玄関までの数十メートルでさえ時間を忘れ、目を奪われてしまいます…。
ちょっと贅沢ですが、そんな空間を演出するのがエクステリアです。
エクステリアと外構、造園の違いは?
エクステリアと外構の違いは、一言で言うと構造体かどうかの違いです。外構は構造体のことをいい、エクステリアは外回りの装飾のことです。装飾は、基本構造体とは一切かかわらない部分となります。
少しわかりにくいので、実際の例を挙げていきます。
外構
土間コンクリート、塀、ブロック、レンガ、階段、U字側溝、土留め、L型擁壁などです。
エクステリア
アルミフェンス、カーポート、手摺、サンルーム、名称看板、外灯、ポスト、物置などです。
造園
植木や花、その土を対象とする工事です。
エクステリアを構成する主な要素
駐車スペース
車や自転車を置く空間。基本的には土間コンクリートが打設されてある。コンクリートは使い方ひとつで仕上がりも大きく変わります。面取りをするかしないかでもイメージが変わりますし、スタンプコンクリートでオシャレにデザインする事も可能になります。
玄関・アプローチ
アプロ―チとは目的地までの通路の動線を意味します。住宅の場合敷地外から玄関までの通路を指すことが多いでしょう。そのアプローチを歩きながら庭や植木を楽しむのも外構の仕事です。
門柱・門まわり
門柱は門を支える柱です。主にアルミ建材を使い門を建てますが、最近はロートアイアンやステンレス鋼材を用いて一から製作する事もあります。
ブロック塀・囲い
ブロック塀は基本的に境界線の役割です。敷地の境界はとても重要で、どこからどこまでが敷地内かを分かりやすく区画するのが目的でしたが、そのブロックにも塗装や左官仕上げでオシャレに化粧する事で、庭先や外観を大きく変える事も出来ます。ブロックは構造体の一つですが、コンクリート擁壁(ようへき)より強度が弱い事が難点です。
フェンス
フェンスは目隠しの役割です。例えばブロックで1.8Mまで積み上げ目隠しをすると、重量が重くなるばかりか妙な圧迫感がありますよね?なので腰高から上を軽いアルミフェンスで覆う事で、家の圧迫感を無くし、風通しも良くなります。フェンスにも様々なデザインがあるので家に合ったものを用意する事が可能です。ブロックと併用して使う事が多いです。
デッキ
デッキと言うと木で作るウッドデッキをイメージしますが、タイルで仕上げられたデッキも多いです。ウッドデッキは安いですが、その分老朽化して木が腐る事もあります。最近は樹脂製のウッドデッキも流行っています。デッキの上でモーニングカフェなんてオシャレな休日も楽しめます。
エクステリア、外構工事で大切なこと
外構工事で大切なのは、地盤の高低差や工事の不可の見極めとなります。例えば土間コンクリートを打設する際に、ほぐし土量や砂利の使用量、運搬、重機のスペックなど事前に把握しなければならない項目が沢山あります。さらに、仕上がりをイメージし敷地図から実際の完成イメージの図面を作る必要もあります。
実際にカーポートを設置しようと思ったら敷地内に納まりませんでした、何てことならないようにしっかりと現地にて寸法確認、測量をします。エクステリア、外構、造園、土工、それらを熟知する事で外構工事の仕上がりやセンスも大きく変わります。