ALC外壁に最適な塗料とは?耐久性と美観を両立させる選び方
ALC外壁に最適な塗料とは?耐久性と美観を両立させる選び方
ALC(軽量気泡コンクリート)外壁は、その軽量性と断熱性の高さから、多くの建物に採用されています。しかし、ALCは吸水性が高いため、適切な塗料を選ばないと、劣化やひび割れが進行しやすくなります。そこで今回は、ALC外壁に最適な塗料の種類や選び方について解説します。
1. ALC外壁の特性と塗料選びのポイント
ALC外壁は以下のような特性を持っています。
• 吸水性が高い → 雨水や湿気を吸収しやすく、劣化の原因になる
• ひび割れしやすい → 乾燥収縮や地震の影響でクラック(ひび割れ)が発生しやすい
• 塗膜の密着性が重要 → 表面が多孔質のため、密着性の高い塗料が必要
これらの特性を考慮すると、ALC外壁には「防水性」「伸縮性」「密着性」に優れた塗料が適しています。
2. ALC外壁に適した塗料の種類
① アロンウォール
特徴:
• 高弾性・耐候性・耐久性が高い
• 防水性が高くひび割れしにくく雨水の侵入を防ぐ
• シーリングの打ち替えを必要としない
おすすめのケース:
「雨漏りを抑制しつつ10年の保証を得たい場合。またランニングコストを抑えたい場合」
② フッ素塗料(耐久性重視)
特徴:
• 耐久性が非常に高く、15〜20年持つ
• 防汚性が高く、メンテナンス頻度を減らせる
• 価格は高めだが、長期間のコストパフォーマンスが良い
おすすめのケース:
「長持ちさせたい」「メンテナンスの手間を減らしたい場合」
3. 下塗り材の重要性
- ALC外壁に塗装する際、下塗り材(シーラー・フィラー)の選定も非常に重要です。
• シーラー(密着性アップ) → ALC表面の吸水を防ぎ、塗膜の密着性を高める
• 微弾性フィラー(クラック対策) → 小さなひび割れを埋め、下地を滑らかに整える
特に、微弾性フィラー+弾性塗料の組み合わせは、ALC外壁に最適な塗装仕様の一つです。
4.ALC改修事例|こんなALC外壁の場合
①ALCにタイルが貼られている場合
この場合に注意すべき点は、ALCの目地シーリングとタイルの目地シーリングが同じ位置にあるかどうかです。ALCのサイズは多くは幅600mm×6000mm以下でジョイント部に全てシーリング材が充填されています。
仮にタイルをその上に無造作に貼った場合、シーリングの上にもタイルが貼られてしまいます。
建物が動いてALC目地とタイルが違う動きをしてしまった場合、ALC目地シーリングは破断する恐れがあります。
破断してしまうと漏水に繋がります。
このような場合の漏水の特定が非常に困難で、どこのシーリングが破断してるのかまったく分からなくなってしまいます。
この場合の改修方法としては、
a.タイルの浮き部を張り替え、全面に防水クリア、または防水材を塗るのが一番コストが安いです。
b.タイルを全面撤去しアロンウォールなどで改修を行う。
c.タイル全面をカチオンセメントで薄塗りし防水塗装、または意匠性のある塗装仕上げを行う。
上記の改修方法となります。
↓タイル撤去
↓モルタル塗り
アロンウォール仕上げ
②ALC
の目地シーリングが破断しボロボロになっている。漏水もしている。
この場合はアロンウォールがかなり有効です。
アロンウォールは目地のシーリング打ち替えを必要とせず、そのまま塗装する事でシーリング同等の防水性を付与できます。
※あまりにも著しい破断は打ち替えします。
シーリング打ち替えを省けるため費用を抑えつつALC外壁全面の長期美観保護、高い防水性を付与できます。
↓アロンウォール塗装
4. まとめ|ALC外壁には「防水・弾性・密着性」の高い塗料を使用しましょう。
よくALCには高弾性は不向き、と記載される事がありますが、それは下地の水分が多く残っていた場合にフクレが起きるからです。
しっかり乾燥していれば高弾性でもフクレはありません。
またアロンウォールは40年の歴史を持ち、ALC外壁のビルや工場など多くの実績を持っています。
日本を代表するスーパーゼネコンも多く採用しております。
ALCは適切な塗装を行うことで、長期間美観と耐久性を保てます。塗料選びに迷ったら、防水性と弾性に優れた塗料を選び、下地処理も怠らないことが大切です。