【マンションの外壁タイル貼り工事】金額と施工方法を徹底解説!|ゆうき総業

結城 伸太郎
【マンションの外壁タイル貼り工事】
新築も改修でもタイル工事は塗装工事以上に精度が求められます。 価格も塗装よりも3~10倍ほど違うので、しっかり計画をして臨む必要があります。 またタイルは美しい柄や模様が豊富にあります。 タイルの種類で迷うのも一つの楽しみになります。
【マンションの外壁タイル貼り工事】金額と施工方法を徹底解説!
こんにちは伸太郎です。
今回は、マンションの外壁タイル貼りについて、工事の方法や費用の目安をわかりやすくまとめてみました。
「タイルって高そう…」「貼り替える必要あるの?」と感じている管理組合様やオーナーさんに、役立つ情報をお届けします。
1. 外壁タイル貼りの魅力とは?
外壁タイルは、見た目の高級感だけでなく、耐久性・防火性・メンテナンス性にも優れた仕上げ材です。
マンションなどの中高層建築では、長期にわたって建物の資産価値を維持するために選ばれることが多く、
最近では「塗装ではなくタイル貼りで改修したい」というニーズも増えています。
基本的にタイルは経年劣化するという事はないので、30年は普通に持ちます。
ただし接着性が弱くなっていたり、躯体の動きなどにより浮きが生じてしまう事があります。
↓目視で浮きが分かるタイル
高層マンションやビルでも行政により剥落、落下の危険が無いか定期的な点検を指導されることもあるでしょう。
その際にタイルの浮きを調査して、浮いていれば張替えや注入工法などでメンテナンスが必要です。
↓打音調査中の画像
ランニングコストは安いかもしれませんが、長期的に保護するには塗装のような簡易的なメンテナンスではなく、大掛かりな修繕工事が必要になります。
2. 施工方法は「湿式」と「乾式」の2パターン
湿式工法(モルタル貼り)
もっとも一般的な方法で、下地にモルタルを塗り、その上にタイルを圧着させます。
↓圧着セメントで貼っている写真
下地の精度や施工職人の腕が仕上がりに大きく影響します。
圧着セメントを塗り付けてタイルを貼るのですが、その貼るタイミングをミスってしまうと接着が甘くなってしまいます。
一番怖いのは密着不良での剥落なので、貼り付け完成後もしっかり打音調査をして浮きが無いか調べてから引き渡す事重要です。
乾式工法(あと施工金物工法)
近年注目されている方法で、専用の金物でタイルを固定します。
下地との密着が不要なので、剥離のリスクが低く、安全性も高い工法です。
単価は湿式よりも高額になります。
過去に地震があったあとの乾式工法のタイルを見た事がありますが、剥離ではなく完全に破断、ヒビ、落下も見えたので、地震に強いのかと言うとそうでもないような気もします。
上下の金物で引っかかってるだけなので、中央から割れるとすぐ落下してしまいます。
3. 工事金額の目安と内訳
タイル貼りの費用は、外壁の場合1㎡あたり7,000〜15,000円前後が目安です。
価格帯が広い理由としては、タイルそのものの費用で大きく違うからです。
45二丁掛けのネット張りなどですと安価で済みますが、600角の大判タイルなどは高額になってきます。
↓45二丁掛けのネット張り
また下地の状況によっても大きく変わります。
参考内訳
・材料費(タイル・接着剤):3,000〜5,000円/㎡
・人件費・施工費:4,000〜8,000円/㎡
・足場代・仮設費:全体工事費の15〜25%
・既存タイル撤去費:条件により変動
マンションの規模や立地、築年数によっても変動があるため、現場調査は必須です。
例えば外壁タイルの見積りには、
①下地調整(段差調整、下地の適正など)
②タイル平面施工費
③タイルコーナー役物施工費
④加工費
⑤運搬費(これも塗装に比べ50~100倍ほど高額です)
⑥※墨付け、割り付け費など (※現場に寄ります。)
⑦酸洗い
という内容が一般的です。
4. 現場での注意点とトラブル例
実際の工事でよくあるのが「浮き」や「剥がれ」です。
原因は、下地処理の甘さや、施工環境(気温・湿度)によるものが多く、職人の技術差が大きく出る部分でもあります。
↓浮き部分はこのように機械で簡単に剥がれてしまいます。
また、目地の詰まり具合や、タイルの割り付け精度なども、見た目と耐久性に直結する重要なポイントです。
特に目地は1本まっすぐ通っていないと見た目も悪いです。また下地が平滑じゃないと壁が歪んで見えてしまったりします。
それとタイルもカタログと実際の色が相違する事があるので、実物サンプルを見てから発注すると良いでしょう。
5. 実際に現場で立って思うこと
私は創業以来、現場の最前線に立ち続けてきました。
タイル一枚の位置や、目地の幅、仕上がりの「面の美しさ」まで、現場でしか見えないものがあります。
タイル貼り工事は、「貼れば終わり」じゃない。
5年後・10年後に『やってよかった』と思ってもらえるかが勝負です。
タイルは塗装工事に比べ費用が高くなりますので、職人の質もそうですが、現場を管理する側も、割り付け、配色、精度を見守れる人間と連携しないとうまくいきません。
割と人間の目検の方が精度が高く、レベルや墨出しでまっすぐ行ってても、人間の目検で曲がっているとどうしても見栄えが悪くなります。
現場や図面の精度に囚われず、その場面での目検を信用するのも大事なので、この辺はセンスが命となります。
6. まとめ:タイル貼り工事で大事なのは「技術と信頼」
外壁タイル貼りは、美しさと耐久性を兼ね備えた素晴らしい工法ですが、
施工の良し悪しが資産価値に直結します。
だからこそ、信頼できる施工会社に任せることが何より大切。
見積もりを取る際は、㎡単価だけでなく「施工内容」「下地処理」「職人の質」もチェックしてみてください。
時には精度が悪く【すべて張り直し】なんて事に直面しても、その費用を担保できるくらいの財務状況を持ってるかも大事なのかもしれません。