ガルバリウムの特徴と塗装料金
結城 伸太郎
屋根は常に紫外線や雨風によってダメージを受けているため、劣化症状やメンテナンス方法について知っておくことは大切です。
ただ、屋根材によって特徴やメンテナンスの時期、費用などもそれぞれ異なるので、使用している屋根材についてもしっかりと把握しておく必要があります。
このページでは、ガルバリウムのメリットやデメリット、メンテナンスについて紹介します。
ガルバリウム鋼板の特徴
ガルバリウムとは、主にアルミと亜鉛で構成された金属屋根で、1972年にアメリカで開発された屋根材です。
一般的に新築時に使用されることは少なく、カバー工法で用いられることが多いです。
■メリット
ガルバリウムは、軽量で建物に負担がかからないため耐震性が高く、日本瓦の1/8程度の重さになります。そのため、カバー工法のような屋根が重くなってしまう工事に向いています。
他の金属屋根に比べて耐久性や防火性にも優れており、錆びにくい特徴もあります。ただし、全く錆びないというわけではないので、定期的にメンテナンスは必要です。
■デメリット
ガルバリウムは薄い金属屋根なので、防音性や遮熱性が低く雨の音が響いたり、夏場は室内の温度があがってしまう点がデメリットとして挙げられます。
さらに、衝撃にも弱いため傷がついたり、物が当たるとへこんでしまい、それらが原因で錆が発生することもあります。
耐久性に優れている分、施工費用やメンテナンス費用がかかるため、初期費用だけではなくトータルコストも考慮しておきましょう。
ガルバリウム鋼板の劣化症状
■色あせ
色あせは塗膜の防水機能が低下しているサインで、放っておくと建物内部に雨水が浸入して雨漏りしてしまう恐れがあります。
直ちに塗装する必要はありませんが、放置せずにしっかりとメンテナンスしましょう。
■錆び
ガルバリウム錆びにくい屋根材ではありますが、傷がつきやすい特徴もあるため、傷がついた部分から錆びてしまうことがあります。
また、錆びている金属が屋根に触れていると「もらい錆び」という現象が起きて、ガルバリウムにも錆が広がる可能性があります。
■屋根材の浮き
屋根材が浮きは、隙間から雨水が浸入してしまい雨漏りの原因になるので、早めの対処が必要です。メンテナンス方法としては、カバー工法または葺き替えになります。
ガルバリウム鋼板は塗装が必要
劣化が進み、塗膜がない状態になると、建物を保護する機能が失われ変色する場合があるため、ガルバリウムも塗り替えが必要になります。
傷ついた部分から錆が発生して、最悪の場合雨漏りにつながることもあるので、錆が広がる前に塗り替えをして劣化を防ぐことが大切です。
ガルバリウム鋼板の塗装料金
■外壁の場合
ガルバリウム鋼板(通称ガルスパン)は、一般的によく知られる外壁の金属サイディングで、当時はメーカーが塗装工事が不要と謳っていました。
しかし、近年は塗装工事を増えつつあります。原因としては白錆や退色です。
価格は、ガルスパンは波板上になっておりローラー施工が困難なので、刷毛やスプレーガンでの施工となるため、従来の屋根材よりも若干高くなりがちです。
一般的な30坪戸建の外壁単体で150平米として、30万~40万円(足場別途)となります。
屋根の場合
ガルバリウム鋼板の屋根は、15年ほど放置しても錆が発生しずらく耐久性も良いですが、15年を超えてくるとだんだん傷から錆が生まれ退色もしてきます。
ガルバリウム鋼板の屋根の塗装は、エポキシ系錆止め以上を推奨し、密着を確認した上で上塗りをする事を推奨します。
価格は、通常の屋根塗装と変わりなく、平米あたり1,600円~2,000円です。
また、塗装時は遮熱塗装も可能なのでぜひご検討ください。
ガルバリウム鋼板の葺き替え・カバー工法
ガルバリウムの劣化で浮きや剥がれ、ひび割れが見られる場合は、塗装だけでは対応できないので「葺き替え」または「カバー工法」でメンテナンスを行います。
葺き替えとは、既存の屋根材を撤去して新しい屋根材を施工する方法で、カバー工法は既存屋根材の上から、新しい屋根材を被せる方法になります。
費用に関しては、カバー工法に比べて葺き替えのほうが高額で、既存の屋根材を撤去する費用がかかります。
まとめ
ガルバリウムは他の金属屋根に比べて耐久性が高く、錆びにくい特徴があり、とても軽量なことからカバー工法でよく用いられる屋根材です。
ただ、防音性や遮熱性が低い金属屋根特有のデメリットもあり、さらに施工費用も高いので、トータルコストも考えておくことが大事になります。