断熱塗料と遮熱塗料の効果の違い
結城 伸太郎
断熱塗料と遮熱塗料は、似ているようで全く違った異なる機能や特徴があります。
このページでは、断熱塗料と遮熱塗料の具体的な機能と違い、選び方と代表的な塗料について紹介しています。
断熱塗料と遮熱塗料の違い
断熱塗料は、太陽光の熱を伝えないのに対して、遮熱塗料は太陽光の熱を反射させる。その違いを見ていきましょう。
断熱塗料 | 遮熱塗料 | |
---|---|---|
冬の保温効果 | あり | なし |
塗料の単価 ※塗料により異なる |
3,500円~4,500円 | 2,500円~3,500円 |
耐用年数 ※塗料により異なる |
15年~20年 | 10年~15年 |
■冬場の保温効果
断熱塗料と遮熱塗料の大きな違いは、冬場の保温効果です。断熱塗料は、室内の温度を逃がさない効果があるため、冬の室内を保温する効果があります。一方の遮熱塗料は、室内の熱を逃がさない効果が無いので、冬場の保温効果はありません。
デメリットは、冬場の貴重な太陽熱すらも反射するので、冬場の室温が低下してしまう点です。そういった意味からすると遮熱と断熱を兼ね備えたガイナはとても良い塗料だと思います。
・断熱塗料 代表塗料=ガイナ(日進産業)
断熱塗料は、熱伝導を抑える機能を有する塗料で、断熱材のような役割をします。太陽光の熱が建材から室内に伝わるのを防ぐ事ができるため、室内の温度上昇を抑制します。また、室内の温度を外に逃がさない効果があります。
コテ塗りや吹付パターンも作れるので内装の仕上げにも使用されています。
・遮熱塗料 代表塗料=シャネツロック(ロックペイント)
遮熱塗料は、太陽光の熱を反射することによって、建材の温度上昇を抑えて、室内に熱が伝わりづらくする塗料です。建材が暖まらないことによって、室内の温度が上昇するのを防ぐことができます。
工場や大きな面積の屋根はそれだけ多くの太陽熱を吸収するので、遮熱塗料での塗り替えは強くお勧めします。
施工単価も通常の塗料と相違無くなってきたので是非推奨したい商品です。
■塗料の単価 ※塗料の種類、グレードによって異なる
・断熱塗料
3,500円~4,500円程度です。
・遮熱塗料
2,500円~3,500円程度です。
■耐用年数 ※塗料の種類、グレードによって異なる
断熱塗料は、遮熱塗料よりも耐用年数が長いですが、その分単価も高い特徴があります。
・断熱塗料
耐用年数は15年~20年程度です。
・遮熱塗料
耐用年数は12年~20年程度です。
断熱塗料と遮熱塗料はこんな方におすすめ!
■夏場の室温を2~3℃下げたい
断熱塗料と遮熱塗料は、塗装面の温度が上昇しないため、室温を2~3℃程度下げる効果があります。また、室温を下がると、エアコンの電力消費を抑えるので、省エネにも繋がります。
■最上階の温度を下げたい
最上階は、窓からの日差しが良く当たり、屋根から近いため、1階に比べて温度が高くなります。そのため、屋根と外壁に断熱塗料や遮熱塗料を施工することで、1階よりも温度を下げる効果があります。
■金属屋根の家
金属屋根は、他の屋根材と比べて熱伝導率が良く熱くなりやすいです、そのため、夏の室内温度が上がりやすく、断熱塗料と遮熱塗料の効果がより発揮されます。
■天井が吹き抜けている
天井が吹き抜けの場合、部屋全体の空間が増えます。そのため、夏に熱い空気を溜めるので、冷房が効きづらくなりなります。
また、吹き抜けは、ガルバリウム鋼板の屋根を採用している場合が多く、斜めの天井の場合は、屋根裏がないことが多いため、屋根の熱が部屋に伝わりやすいです。
■夏は涼しく、冬は暖かくしたい
断熱塗料と遮熱塗料は、夏の室温を下げる効果がありますが、冬に室温を暖かく保つ効果は、断熱塗料にしかありません。遮熱塗料は、冬に室温を暖かくする効果は無いので、注意が必要です。
代表的な塗料
■断熱塗料
・ガイナ
ガイナは、日進産業が販売している断熱塗料です。断熱効果の以外に、防音、空気清浄、消臭、防露、防汚など、様々な機能があります。施工単価は、3,500円~4,500円程度で、耐用年数が15年~20年程度です。
・キルコート
キルコートは、キルコート・ジャパンが販売している断熱塗料です。200%以上の収縮性があるので、クラックに強い特徴があります。また、高く密着性能や防音、防露性能があります。施工単価は、3,500円~4,500円程度で、耐用年数が15年~20年程度です。
■遮熱塗料
・ロックペイント シャネツロック
シャネツロックは、ロックペイントが販売しているシリコン系の遮熱塗料で、費用対効果が高い特徴があります。施工単価は、2,000円~3,000円程度で、耐用年数が10年~15年程度です。
・サーモアイSi
サーモアイSiは、日本ペイントが販売しているシリコン系の遮熱塗料で、費用対効果が高い特徴があります。施工単価は、2,000円~2,800円程度で、耐用年数が10年~12年程度です。
同シリーズは、グレードによって5種類の塗料があり、シリコン以上のグレードでは、サーモアイ1液Si、サーモアイ4Fがあります。
・EC-5000PCM(IR)(アステック)
EC-5000PCM(IR)は、アステックペイントが販売している遮熱塗料でで、メーカー名のアステックと呼ばれることが多いです。600%の収縮性があり、ひび割れに対して非常に強い特徴があります。施工単価は、3,400円~3,800円程度で、耐用年数が15年~20年程度です。
まとめ
断熱塗料と遮熱塗料は、夏の室内温度を下げる効果があるので、金属屋根や吹きつけなどの暑くなりやすい建物には非常に有効で、冷房費用を下げる効果も期待できます。
冬を暖かくする効果があるのは断熱塗料だけで、遮熱塗料に室内の保温効果はないので、注意が必要です。