機能性塗料にはどのような種類(機能)があるか?
結城 伸太郎
塗料は、様々な機能が付随した「機能性塗料」があるので、塗装によって建物の劣化やお悩みの改善ができる可能性があります。
このページでは、機能性塗料の種類と代表的な塗料を紹介しています。
機能性塗料とは
機能性塗料とは、特別な機能や効果を持った塗料を指します。塗膜が形成されることで効果を発揮するので、塗膜の厚さが適正でなければ、十分な効果を発揮しません。
代表的には良く知られている「珪藻土」や低汚染性に優れた塗料、断熱性、耐摩耗性、防カビ性、防音性、遮熱性、消臭機能、など挙げればキリがありません。
メーカーによって特徴が様々なので、お客様が一番気にかかっている部分を解消する塗料を見つけ出すのが一番かと思います。
機能性塗料の主な機能
■遮熱性
遮熱性とは、太陽光の熱を反射する機能で、塗装面が高温になるのを防ぐことができます。屋根や外壁への塗装が有効で、夏の室温を下げる効果があります。
遮熱性がある代表的な塗料は、ロックペイントのシャネツロック、日進産業のガイナなどがあげられます。
■断熱性
断熱性とは、塗装面の熱を伝わりづらくする機能です。屋根や外壁への塗装が有効で、夏は室内の温度を下げる効果があり、冬は室の温度を逃がさず保温する効果があります。
断熱性がある代表的な塗料は、日進産業のガイナ、キルコート・ジャパンのキルコートがあげられます。
■低汚染性
低汚染性は、親水性が高く水と馴染む性質があるため、汚れが付きづらい機能です。親水性が高いと塗膜に付着した汚れと塗膜の間に雨水が入り込みやすく、雨水と一緒に汚れが落ちます。
また、雨水を弾かずに薄く広がり、排ガスなどの油性の汚れを弾いて防ぐ効果や、雨筋を防止する効果があるので、交通量の多い道路に面した建物や、洗浄の手間をかけたくない場合などに有効です。
低汚染性がある代表的な塗料は、SK化研のクリーンマイルドシリコン、アステックペイントジャパンの超低汚染リファインなどがあげられます。
■透湿性
透湿性とは、建物外部の水を内部に通さずに、建物内部の湿気を外部に通す機能です。建物内部の結露や腐食、塗膜の膨れを防ぐ効果があり、断熱性が優れた建物や結露がある場合に有効です。
透湿性がある代表的な塗料は、エスケー化研のクリーンマイルド、大同塗料のスムースプラスター、ファイン4Fセラミックなどがあげられます。
■防水性・耐水性
防水性・耐水性は、塗膜がヒビに追随して水の侵入を防ぐ機能です。ヒビに追随する伸縮性のある塗料を弾性塗料と呼び、モルタルやコーキングの塗装に適しています。
防水性・耐水性がある代表的な塗料は、東亜合成のアロンウォール、アステックペイントジャパンのEC-5000PCM(IR)などがあげられます。
■防カビ・防藻性
防カビ・防藻性とは、塗装面にカビと藻が発生しづらくする機能です。
カビや藻は、日の当たらない北面や湿気が多い面、植物が生えている箇所で発生しやすく、建物の劣化や美観を損ねるだけではなく、人体に悪影響が出る可能性があるので、注意が必要です。
防カビ・防藻性がある代表的な塗料は、日本ペイントのパーフェクトシリコン、エスケー化研のエスケープレミアムシリコンなどがあげられます。
■耐火性
耐火性とは、燃えにくい性能で、火災の際に発火を遅らせて、延焼を最小限に防ぐことができます。耐火性がある代表的な塗料は、日進産業のガイナや、菊水化学工業の水系ファインコートシリコンなどがあります。
また、火災が発生した際に塗膜が数十倍に発泡しながら膨張して、不燃材となる塗料もあります。これは、耐火塗料と呼ばれ、、商業施設やショールームや展示場、倉庫や工場などで使用され、戸建でほとんど使用されることはありません。代表的な耐火塗料は、日本ペイントのタイカリットや、エスケー化研のSKタイカコートなどがあります。
代表的な耐火塗料は、日本ペイントのタイカリットや、エスケー化研のSKタイカコートなどがあります。
■耐候性
耐候性とは、紫外線や雨風などの自然現象に対する耐久性を指し、耐候性が高いほど、チョーキング現象が起こりづらい特徴があります。
耐候性は、塗料の耐用年数やグレードに比例して高くなります。
アクリル→ウレタン→シリコン→フッ素→無機 と右へ行くにつれ耐候性が高くなります。
まとめ
塗料は、様々な機能があるので、建物の劣化状況や環境によって最適なものを選択すれば、より建物の保護や付加価値を付けることができます。
塗料を選ぶ際は、耐久年数だけではなく、機能にも着目することをオススメします。