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ウレタン塗料の特徴と単価

結城 伸太郎

ウレタン塗料は、一昔前の塗料ですが現在でも内装材や家具、車にも広い分野で使われています。しかし、外壁や屋根などの場合は、主流はシリコン以上のグレードです。

このページでは、ウレタン塗料を他のグレード塗料と比べたときの特徴や機能、メリット・デメリット、また代表的な塗料を紹介しています。

ウレタン塗料はどんな塗料なのか?

ウレタン塗料は一昔前に主流だった塗料で、現在はシリコン塗料が主流です。

合成樹脂にウレタン樹脂を使用しており、主剤の種類によって、ポリウレタンとアクリルウレタンの2種類に分かれます。

ポリウレタンはポリオールを使用しており、アクリルウレタンはアクリルポリオールを使用しています。アクリルウレタンは、「アクリル」という名称が付きますが、アクリル塗料ではなく、ウレタン塗料になります。

油性と水性、1液型と2液型に種類が分かれ、臭いの少ない水性が主流です。1液型は、そのまま塗れる状態のもので、2液型は、硬化剤を混ぜて使用します。2液型の方が、耐久性と価格が高く、塗れる材質の幅が広いです。

【メリット1】単価が安い

現在主流のシリコン塗料に比べて、施工単価が平米あたり100円~500円程度安いです。

ただし、シリコン塗料が10年~12年程度の耐久年数に対して、ウレタン塗料は8~10年程度の耐久年数なので、シリコン塗料で施工を行ったほうが、コストパフォーマンスが高いです。

【メリット2】低汚染や弾性の機能を持たせることができる

硬化剤の種類によって低汚染や弾性の機能を持たせることができます。これらのメリットは、ウレタン塗料に限った特徴ではなく、他の塗料も持ち併せてる特長です。

【デメリット1】コストパフォーマンスが悪い

シリコン塗料と比べて、価格の差は小さいですが、耐久年数の差が大きいため、コストパフォーマンスが悪い特徴があります。そのため、現在は、シリコン塗料以上のグレードが主流です。

一昔前は、付帯部分の塗装にウレタンを用いりましたが、現在は、シリコン塗料以上が主流です。

ウレタン塗料の施工単価(㎡)はいくらくらいか?

施工単価は、平米あたりの1,700~2,200円程度が相場です。

弊社でウレタン塗料を選ばれるお客様の割合

過去1年間に弊社で使用した塗料の割合は、アクリル1%、ウレタン10%、シリコン35%、ラジカル制御34%、フッ素5%、光触媒0%、無機15%です。

こんな方にオススメする塗料です

ウレタン塗料は固い塗膜になりやすく、耐摩耗性、耐熱性に強いです。現在は外装塗装よりも内装のフロア、カウンター、木部のクリアーなどに多く使われています。

家具のテーブルの天板など現在も広い分野で使用されています。車の塗料もほとんどがウレタン塗料が使われていますので、決して悪いものではありません。

ウレタン塗装とウレタン防水は別物

ウレタン塗装とウレタン防水は別物なので、注意が必要です。ウレタン防水は、ウレタン樹脂を硬化さて防水する工法で、現在もベランダなどでよく用いられます。

代表的なウレタン塗料

■ファインウレタン(日本ペイント):単価1,600円~

外壁塗装などに使用される水性塗料です。 水性なのでシンナーの臭いもなく作業時や生活環境に害がありません。

一液水性反応硬化技術により、耐候性・耐久性が優れています。

性能としても、防カビ・防藻性・低汚染性・高耐候性と優れています。

■ビニロックウレタン(ロックペイント):単価1,500円~

溶剤型ウレタン塗料に匹敵する耐候性を実現しました。

煤煙や塵などの汚れが付きにくい緻密な塗膜を形成します。

藻やカビの発生を抑制し、清潔な住環境を維持します。

■セラMレタン(関西ペイント):単価1,700円~

セラミック変性で低汚染性能をもち、防藻防カビ、弱溶剤タイプなので旧塗膜を選ばずに塗り替えする事が出来ます。

2液型の塗料なので対薬品性、耐久性、耐候性も優れています。

■クリーンマイルドウレタン(エスケー化研):単価1,800円~

セラミック複合の特殊技術で、従来にない超低汚染を実現しました。

特殊設計により、微生物汚染を防ぎます。弱溶剤で構成されているため、旧塗膜の種類を問わず、優れた密着性を示します。

溶剤形(強溶剤)塗料に比べて臭気が少なく、作業環境の改善に役立ちます。

■ビューウレタン(大日本塗料):単価1,800円~

3次元構造の凹凸のない均一な塗膜でしかも、粘着(タック)性がない為、汚れが付着しません。

立体塗膜の為、強固な結合は紫外線に対して負ける事がありません。耐水性、耐アルカリ性に対しても同様です。優れた性能は公的機関でも認められています。

塗膜に柔軟性を付加している為、壁に小さなクラックが生じても塗膜は伸びて追随します。

カビや藻に対して効力を発揮するバイオ薬剤を配合しています。旧塗膜のかびの広がりを防ぎ、更に新たなかびの発生を阻止します。

■エコウレタン(スズカファイン):単価900円~

水性1液反応硬化形弾性ポリウレタン樹脂系塗料です。 反応硬化形の耐水性・耐アルカリ性・耐紫外線性・光沢保持性に優れた塗膜です。

親水性の緻密な塗膜が汚れの付着を防ぐ低汚染タイプです。 微生物の発生を抑える防かび・防藻剤を配合しています。 1液タイプなので取り扱いも簡単です。

臭気が少なく、引火の心配がない、取り扱いの簡単な、環境に優しい水系塗料です。

サイディングボードの塗り替えから防水形複層塗材(弾性主材)の上塗りとしても使用可能な柔軟な塗膜です。

ウレタン塗装に関するよくある質問

Q1.ウレタン塗料は、水分と相性が悪く湿度が高いときに塗布すると塗膜性能が落ちると聞いたのですが、本当でしょうか?

塗膜が形成されるまでは、硬化剤と水が結合しやすい特徴があり、湿度が高い状況で塗装を行った場合は、塗膜の性能が落ちる可能性があります。

この現象は、ウレタン塗料に限った話しではなく、他のグレードの塗料でも同じ事が言えます。

Q2.ウレタン塗料は、配合成分に強い毒性があると聞いたのですが、本当でしょうか?

強溶剤の硬化剤に含まれるイソシアネートは、強い毒性があります。

乾燥前に皮膚へ付着すると痛みや腫れが起こり、蒸気を吸い込むことで、目や鼻の粘膜を刺激して障害を与えます。さらに吸い込むと体内の中枢神経に作用して、胃痛やめまいを起こします。

これは、ウレタン塗料に関わらず、強溶剤の塗料全般におこります。現在は、弱溶剤や水性の塗料が使用されており、強溶剤が使用されることはありません。

Q3.ウレタン塗料専用のシンナーを使用しなければいけないと聞いたのですが、本当でしょうか?

シンナーは、ウレタン塗料専用のものを使います。他のグレードの塗料でも専用のシンナーがあります。

Q4.ウレタン塗料は、柔らかく扱いやすい、硬化した塗膜もヒビ割れしにくいと聞いたのですが、本当でしょうか?

ウレタン塗料は、柔らかくヒビ割れに強い弾性タイプの塗料です。ただし、他グレードの塗料も弾性タイプがあり、ウレタン塗料だけが、柔らかくヒビに強いわけはありません。

まとめ

ウレタン塗料は、一昔前の塗料ですが現在でも内装材や家具、車にも広い分野で使われています。しかし、外壁や屋根などの場合は、主流はシリコン以上のグレードです。

施工料金を比べても、シリコンと大きな差は無いので、建物を10年も保護する必要がない場合を除いて、あえてウレタン塗料を選択するメリットはありません。

塗料選びの際は、シリコン以上のグレードで検討することをオススメします。

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