コンクリート外壁の劣化現象と塗装料金
結城 伸太郎
外壁材には様々な種類があるため、それぞれメリットやデメリットをしっかりと理解し、メンテナンス方法や費用などについても知っておくことが大切です。
このページでは、コンクリート外壁の特徴や適正なメンテナンス方法などを紹介します。
コンクリート外壁の特徴
コンクリートとはセメント、水、砂、砂利を混ぜた合わせたもので、コンクリート外壁はコンクリートを流し込んで固めた建材のことを指します。
■良い点
コンクリート外壁は耐震性、耐久性に優れているため、他の外壁材に比べて頑丈で強度があり、耐火性も高いので火事で燃えるリスクを軽減することもできます。
さらに、防音性や気密性もあるので、外の音が気になる方や楽器演奏などを楽しみたい方にはオススメです。
デザインに関しても自由度が高く、コンクリート外壁は柱が必要ないため、広い空間や大きな窓を作ることも可能です。
■悪い点
デメリットは熱伝導率が高いため、夏は暑く冬は寒くなる点や、引っ張る力に弱いのでひび割れしやすい点などが挙げられます。
また、コンクリートに含まれている水が完全に抜けきるまでに3~5年かかり、その間は結露が発生しやすくなります。
施工の際は工期が長く、強い地盤も必要とされ、業者の技術によってコンクリートの品質が左右されることもあります。費用に関しても建築工事では一番高額な構造体となります。
■コンクリートとモルタルの違い
コンクリートはモルタルに比べて強度があるため、土木や建築の現場でよく使用され、モルタルはコンクリートの表面の仕上げやレンガ、ブロックの目地などに用いられます。
コンクリート外壁の劣化症状
■ひび割れ
ひび割れはコンクリート外壁によく見られる劣化症状のひとつで、乾燥状態が続いている時や躯体の歪みによって発生します。
ヘアークラックと呼ばれる髪の毛程度のひび割れであれば、早急な対応は必要ありませんが、それ以上の大きなひび割れの場合は、雨漏りにつながる可能性もあるので注意しましょう。
■カビやコケの発生
カビやコケは、特に日当たりの悪いところや湿気の多い環境で発生して、美観を損ねる原因にもなります。
ただ、ひび割れた部分から水が浸入したことにより、カビやコケが発生している可能性もあるので、その際は早めの対応が必要です。
■爆裂や欠損
コンクリートは雨や空気中の炭酸ガスに触れることで中性化すると、コンクリートの中にある鉄筋が錆びて膨張してしまいます。
そして、膨張して圧がかかるとコンクリートがひび割れを起こし、最終的には爆裂や欠損につながる恐れがあります。またその予兆として「エフロ」と呼ばれる白化した結晶体がにじみ出てきます。
■シミ
コンクリートは水分を吸収しやすい性質があるため、雨水を表面にとどめてしまい、日光によって水分が蒸発しても、汚れや水垢などが黒ずみとして残ります。
コンクリート外壁の塗装と料金
■弾性塗料
一般的な壁塗料にひび割れ追従性としてゴム状弾性がある塗材。JIS6021など。
防水性が高くひび割れに追従します。弊社ではアロンコートを推奨しており、防水塗材はメーカーの防水保証が得られる場合が多い。トップコートのランクにより耐候性も変わります。
次回塗り替え推奨時期15年~20年です。
■撥水剤
劣化レベルが低ければ撥水材でRC躯体の耐久性を向上させることが可能です。皮膜はせず深く浸透し内部で固着するため雨水をはじき劣化から守ります。
また中性化も防止できる上、コストも安めです。
■クリヤー塗装
撥水材とは違い表面に皮膜する塗料です。艶有り、艶消しのバリエーションがあり、雨水から外壁を守ります。躯体に補修が必要なレベルだと提案できない場合があります。
■コンクリート描写再現工法(ランデックスコート)
新築時にも施工される事も増えてきた工法で、コンクリート打ち放し面の美観を維持、復旧できます。劣化が酷くても対応が可能で、部分的な欠損補修があったとしてもその補修跡も分からないほどに仕上げる事も可能です。
雨水をはじき中性化も防止します。耐久性は15年~20年です。
まとめ
コンクリート外壁は耐震性、耐火性に優れているため地震や火事にも強く、さらに防音性や気密性も高いので、生活で気になる騒音を抑えることができます。
ただ、ひび割れや欠損などが起こりやすい特徴もあるので、しっかりと適正な方法でメンテナンスするようにしましょう。