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レンガやタイル外壁の特徴と塗装料金

結城 伸太郎

建物は定期的にメンテナンスを行うことで、綺麗な状態を保つことができ、建物寿命を長くすることにもつながります。

ただ、外壁材の種類によってメンテナンス方法や費用が異なるので、使用している外壁材について知っておくが大切です。

このページでは、レンガの特徴や種類、メンテナンスについて紹介します。

レンガの外壁材には、本物のレンガとレンガ調の2種類ある

レンガには、本物のレンガとレンガ調の外壁材があり、さらにレンガ調のものは「レンガ」と「サイディング」の2種類あります。

本物のレンガ使用する場合、レンガを貼り付ける手間や時間がかかり費用も高額になるため、レンガ調の外壁材を使用する方が多くなっています。

本物のレンガの特徴と補修方法

レンガとは粘土に泥、砂などを加えて練った材料を型に入れ、乾燥または素焼きにした建築材料で、穴に鉄筋を通して固定していきます。

色も赤茶やグレー系、白系など様々なので、複数色のレンガを使用したり、レンガの形や目地の色、深さなどを変えてデザインにこだわることもできます。

■日本ではレンガを積むより貼る工法の方が主流

レンガの壁と言ってぱっと思いつくのが赤レンガ倉庫と呼ばれる建物です。観光名所になっていたりします。このようなレンガ外壁は外壁というよりも構造体になっています。

レンガ組積造といって、レンガを積み上げていきそのまま構造体となる建築です。

日本の住宅ではほとんど取り入れられていなく、レンガの積工法もフランス積み、イギリス積みなどと呼ばれる事から欧米で広く使われている工法です。ピザ釜なんかもレンガ積となります。

日本ではレンガを積むより貼る工法の方が主流です。有名所では、一条工務店さんのようなレンガやタイルが貼ってある家を見た事ある方も多いと思います。構造ではなく化粧仕上げとなっています。

■本物のレンガは塗装がいらない

本物のレンガは耐久性が非常に優れているため、塗膜で保護する必要がありません。塗装をしないので経年劣化によって味わいが出て、レンガ特有の雰囲気を楽しむことができます。

ただし、目地のなかはセメント量が少ないモルタルになるので、水を吸ってしまいます。吸い込んだ雨水が白化(エフロ)となり、白い結晶体がにじみ出てくることがあります。

それらを防止するためには、表面に撥水材やクリアーも時として必要かもしれません。ただし、そのレンガがRCなのか?鉄骨なのか木造なのか?しっかりと検討しなければなりません。

■劣化症状と補修方法・料金

・ひび割れ
煉瓦は幅が100ミリであり一表面だけクラックが入るということはほぼありません。ひび割れは確実に貫通していると言えます。補修方法は部分的に防水材を注入しかありませんが、表面の疑似塗装が必須となります。

・コケや藻の発生
薄めた次亜塩酸などで洗浄すれば綺麗になりますが、レンガ自体の水垢は完璧には除去できないと思います。

・目地の劣化
目地は前述でも記載した通りセメント量が少ないモルタルで積んでいくので劣化しやすいです。表面に目地材をもう一度刷り込むか中性化防止させる塗材を塗布するといいでしょう。

・抜け落ちる
レンガがもし抜け落ちていたりしたら部分的に貼る事は可能だとは思いますが、レンガにも鉄筋のような母材で緊結されていることもあるので注意が必要です。

タイル外壁材の補修方法と料金

レンガ調の外壁材にはタイルとサイディングの2種類あり、本物のレンガのように積み上げるのではなく貼り付けて施工します。

時間と費用を抑えることができるので、レンガ外壁を施している家のほとんどは、タイルやサイディングを使用しています。

ただ、本物のレンガとは違い、半永久的な耐久性があるわけではないので、定期的なメンテナンスが必要です。

■タイル外壁

・タイルの浮き
タイルは接着剤で張っていく工法なので経年劣化で浮いてくることがあります。浮いたタイルはエポキシ樹脂などで注入するか張り替える事になります。

特に浮いたタイルは剥落して人の頭に落下する危険が伴うので定期的なメンテナンスが必須となります。子の浮きは打診棒を用いた検査法で全面を打診し浮きを調査する必要があります。

・目地材の剥離やクラックが起こるので補修が必要
タイルのクラックは補修が出来ません。張り替えるか剥落防止工法で樹脂被膜する方法がありますが、被膜する工法はクラックが見えなくなるわけではないので美観が復元するわけではありません。

・タイルは塗装の必要がない
塗料よりも耐久年数が長いため基本的に塗り替えは必要ありません。ただし、防水性を付与するためのクリアー(アロンクリアウォール)など、漏水している場合はとても効果があります。またタイルそのものの美観を損なわないのでお勧めです。

・色を変えたい場合
特殊なプライマーを使えば塗装で対応出来るが、目地も同色となるため美観は損なわれる。

■タイル調サイディング

・コーキングの劣化
打ち替え必須項目。ただしALC外壁の場合は「アロンウォール」のような防水性の高い塗料で塗り替える際はシーリングが不要の場合もある。

・サイディングの反りや割れ
反りはビスで増し打ちして復旧する場合もありますが、反る原因の一つが直貼り工法のため根本の原因を解決させる必要がある。割れは酷くなければシーリングと簡易補修で直す場合もあります。

・チョーキング現象
塗膜の紫外線劣化。塗り替えのサインの一つ。

・タイルの模様が色褪せる、カビが発生する
タイル調サイディングは工場で塗装しているものなので必ず紫外線劣化が伴います。近年は二色塗り替えや元々のデザインを損なわない多彩模様での塗り替えも可能なので通常の塗装工事で復元可能です。通常の塗装工事金よりも2~3割程度高くなります。

■塗装方法は、クリアー塗装と2色で塗り分ける工法がある


タイル調サイディングはチョーキングや色あせが酷くなければクリアー塗装で新築同然に生まれ変わる事もあります。その時の可否のタイミングは業者さんに見てもらう必要があります。

クリアー塗装の料金は、フッ素系クリア―で平米2,500円~3,000円です。

まとめ

レンガには「本物のレンガ」と「レンガ(タイル)調の外壁材」の2種類あり、本物のレンガは耐久性がとても優れているため塗装の必要もありません。

磁器タイルまたはサイディングの場合、費用を抑えてレンガ外壁を作ることができますが、定期的なメンテナンスが必要になります。

現在は本物のレンガではなく、レンガ(タイル)調の外壁材を使用する方が多いので、適正なタイミングでメンテナンスをして大切な建物を守りましょう。

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