超速硬化ウレタン塗膜防水材DPCスプレーコート
結城 伸太郎
DPCスプレーコートは、ディックプルーフィング株式会社のウレタン防水材で、大きな特徴は、硬化時間が短く、スプレーで吹きつけて施工を行う点です。
硬化時間は、約3分で、その後は重ね塗りができるので、施工時間を短縮できます。また、スプレーの吹きつけで施工を行うため、複雑な形状でも継ぎ目を作らずに防水層を形成することが出来ます。
このページでは、DPCスプレーコートの特徴や施工の流れを説明いたします。
目 次
DPCスプレーコートの特徴
連続積層ができるので工期短縮が可能
工法や仕様により、2~6工程の施工を行います。
従来のウレタン防水は、硬化する時間に約10時間が必要ですが、DPCスプレーコートは、超速硬化ウレタン防水材と呼ばれ、3分で指に触っても付かないぐらい硬化し、約30分で歩行が可能になるまで硬化します。
3分が経過した硬化後は、防水層を重ねて施工できる状態になるので、連続して施工を行うことができ、従来のウレタン防水と比べて、施工時間が大幅に短縮できます。また、硬化すると雨の影響を受けません。
機械化コントロールシステムで品質を管理するから高品質
専用の機械によって、温度、撹拌、流量を管理して施工を行います。そのため、防水材の品質、スプレーガンの吐出量が均一に管理されて、高品質の防水層を形成することができます。
また、A剤・B剤はスプレーガンの先端で撹拌するため、撹拌不良による品質低下は起きません。
垂直や凸凹の塗装面でも施工ができる
従来のウレタン防水は、勾配や塗装面の凸凹の影響で、防水層が薄くなる部分が出来るため、平面以外の施工には向かない工法です。
DPCスプレーコートは、硬化時間が短いため、勾配や塗装面の凸凹の影響による液ダレが起こりずらく、垂直や凸凹の塗装面でも、均一な防水層の厚さを出す事ができます。
幅広い下地に対応可能
コンクリートや金属、プラスチックなど様々な下地に施工が可能です。そのため、屋上防水、水槽、土木防水など様々施工用途で使用することが出来ます。
強固な防水層で長い耐用年数
従来のウレタン防水と比べて、2倍以上の強固の防水層を形成することができます。そのため、歩行用の防水や、駐車場、廊下といった様々用途に対応できます。
防水の性能自体は露出で15年以上、非露出で20年以上の耐久年数があります。ただし、トップコートは10~15年ごとに塗り直しを推奨しています。
推奨場所
・立体駐車場屋上
・建物の屋上
・バルコニー
・金属屋根
・マンションなどの共用通路
商品ラインナップ
DPCスプレーコート/DPCスプレーコート200:超速硬化ウレタン
超速硬化ウレタンのスタンダードです。
「JIS A6021 屋根用塗膜防水材ウレタンゴム系」の「高伸長形」と「高強度形」の両方の規格値を備えています。
一般屋上をはじめ開放廊下や金属屋根にも使用できます。
DPCスプレーコート500/DPCスプレーコートCB:超速硬化ウレタン
スタンダードの「DPCスプレーコート」に比べて、より高い耐摩耗性をを備えた高耐久超速硬化ウレタンです。
ウッドデッキやインターロッキング、押えコンクリートの設置も可能です。
DPCスプレーコートCBも露出駐車場防水で使用される高い耐摩耗性があり、比較的歩行頻度の高い部位での使用が最適です。
DPCスプレーコートウレア:超速硬化ポリウレア
防水性能をはじめ、さらに緑化に必要とされる「耐根性」「耐菌性」「耐薬性」を備えた緑化専用の超速硬化ポリウレア樹脂です。
DPワンガード・ゼロ:1成分形ウレタン
複合密着工法(OZSP/OZSH/OZSU工法)の下層で使用する手塗りウレタンには、1成分形ウレタンのDPワンガード・ゼロが使われます。
DPCスプレーコートの施工事例
-
下地調整
下地はシンダーコンクリート面です。高圧洗浄後目地の補修や段差などを補修します。
-
プライマー塗布
コンクリートに含侵する専用のプライマーを塗布します。
-
絶縁シート貼り付け
通気緩衝工法で施工しますので平場面に絶縁シートを貼っていきます。
-
絶縁シート貼り付け完了
この時脱気筒や改修ドレンも設置完了しています。
-
超速硬化ウレタン吹付1回目
3分硬化の超速硬化ウレタンを吹付塗布していきます。ムラの出ないよう均一な厚みで吹付していきます。
-
超速硬化ウレタン吹付2回目
1回目吹付後すぐに2回目を吹き付けます。丸一日吹付~トップコートまでして約500平米ほど施工可能です。今回は200平米程度なので40分ほどで2回吹き出来ました。
-
トップコート塗布完了後
トップコートの乾燥時間は約2時間です。
-
施工完了
超速硬化ウレタンスプレーは従来のウレタン塗膜防水の2倍以上の強度持っています。さらに3分硬化なので、もし急な雨が降っても影響はありませんし、工期短縮に非常に優れています。立体駐車場屋上や金属屋根の防水に需要が伸びています。
メーカー発表の施工事例
金属屋根改修
-
施工前
-
施工後
屋上通気緩衝工法
-
施工前
-
施工後
ドーム屋根改修
-
施工前
-
施工後
屋上駐車場改修
-
施工前
-
施工後
超速硬化ウレタン防水のメリットとデメリット
メリット:
①工期短縮:3分硬化で歩ける強度だから1日でトップコートまで完了できます。マンション共用廊下などもその日に歩けます。
②人件費削減:機械による吹付作業なのでロスがない。
③材料費削減:ガン先で混合噴霧されるため必要な分だけ使えます。従来の攪拌後の材料ロスなどがありません。
④荷揚げ作業無し:材料はトラックに乗せたままホースを屋上まで伸ばすだけ。
⑤膜厚の確保:垂直面でも膜厚が確保できます。
⑥幅広い下地適応:立体駐車場や金属屋根など幅広い用途に使用できます。車が走っても破れたりしません。
⑦急な降雨でも心配無し:施工中に急な降雨があっても1分で硬化が始まるので中止しても施工完了部分は問題無し。
デメリット:
①吹付作業なので飛散の恐れがあるため養生に時間を要します。
②機械を乗せた車を現場に設置するため駐車場の確保が必要です。
③機械の台数分しか現場は稼働できません。
④機械設置と準備に従来の倍以上の時間を要するため、小面積向きではありません。
ほかにも実際の施工事例集を併せてご覧ください。
①公共工事NMR屋上防水改修工事:「超速硬化ウレタン TVJ S-3工法」(Xー1相当)
②テナント駐車場屋上:「超速硬化ウレタン防水 コンポUUーS25工法」
③マンション屋上:「超速硬化ウレタン防水 STVJ S-2工法」
ゆうき総業はスプレーウレタン・ウレア工業会会員です。