外壁・屋根塗装の現地調査はどのようなことをするか?
結城 伸太郎
外壁・屋根塗装を行うときには、まず初めに「事前調査・現地調査」を行う必要があり、この工程をおろそかにしてしまうと工事や仕上がりに影響してしまいます。
このページでは、事前調査・現地調査でどのようなことを行っているのか、重要性などについて紹介します。
事前調査・現地調査とは
事前調査・現地調査とは、実際の建物を見て大きさ、劣化症状、必要な工事内容を確認することで、見積書を作成する前に必ず行います。
業者にもよりますが、かかる時間は30分~1時間程度で、費用も無料のところがほとんどです。
お客様にとっても大事な時間で、気になることや予算などがあれば調査の際に相談することができ、また見積内容だけではなく、業者の雰囲気や対応の仕方などを見ることもできます。
どのようなことをするのか?
■外壁の劣化状況を確認(現状確認)
・塗装面の種類や過去の工事のヒヤリングも行います。特に既存の塗膜によっては下塗り材を変えなければならない事や塗装できないケース等ありますので重要な確認となります。
・モルタル外壁であればクラックの太さにより補修方法が変わるのでクラック全数の調査。
・モルタルやRCの外壁の場合浮きや欠損があります。それは特別な下地処理を要するので塗装とは別途下地処理費用がかかります。浮き部は打診棒と呼ばれる道具で確認していきます。
・塗装工事は基本的に平米計算で算出されるため、塗装する面の面積を全数量測る必要があります。それによって使用する塗料の量も変わります。
■屋根の劣化状況を確認(現状確認)
・屋根の錆の発生、破損、曲がり、雨漏りなど確認します。雨漏りしている場合塗装する事によって水捌けがよくなり余計雨漏りする事があります。その場合はしっかりと雨漏りを止めてから塗装する事をお勧めします。基本的に塗装したからと言って雨漏りする事はありません。
・屋根の素材を確認します。素材によっては塗装できない場合もあります。(ステンレスは塗装する必要がない)
・チョーキング現象の確認。既存塗膜が活膜かどうかを調べます。
■面積の算出
図面があれば図面で数量を拾いますが、どうしても図面では把握できない箇所や実寸法と相違していないかを確認します。
図面が無ければ現状の実寸法をスケールやレーザー距離計などで測っていきます。
■立地の確認
・車の侵入経路の確認。搬入搬出が可能かどうか。
・近隣対策。塗料の飛散の心配があるかどうか、近隣に迷惑が掛からないかどうか確認します。
・足場の設置の有無を確認し、必要であれば足場が設置可能かどうか敷地内を確認します。その際特に境界の位置など確認します。
・ビルやマンションであれば居住者様へ迷惑が掛からないか、また施工する事でどんな災害があるのかしっかりと予測します。
事前調査・現地調査の重要性
事前調査・現地調査は、建物の状況を確認するとても重要な作業となります。
例えば、ひび割れと言ってもどの程度の大きさなのか、どの箇所に発生して原因は何かなど実際に見なければ何もわかりません。また、素人では気付かないような箇所や細かい劣化も、専門の業者が見ることによって発見、修繕することがきでます。
さらに、建物の形や付帯分なども家によって異なるので、塗装が必要な部分や面積などを細かく確認する必要があります。
このように図面や写真だけではわからない建物の状況や立地などを把握することで、適正な塗料や補修方法を提案することが可能になるのです。
ドローンを使った現地調査について
近年はドローンを飛ばして屋根や屋上を撮影します。これにより屋根に上がる必要も無くなり、動画も撮影可能なのでアイパッドなどでお客様に動画をお見せできるようになりました。
ご自分の大切な住まいの普段見られない部分を見られる事でとても高評価を頂いています。
さらに梯子も必要ないので、軽自動車でも現地確認が可能となります。過去に屋根の現調中にお客様が屋根に上がる事もあり、落ちないか心配でその時は大変怖かった思い出もあります。
まとめ
事前調査・現地調査は家の大きさや劣化状況、必要となる工事内容を確認する重要な作業で、手を抜いてしまうと塗装の仕上がりにも影響します。
満足できる塗装をするためにも、事前調査・現地調査をしっかりと行う信頼できる業者に依頼して、建物の状態に合った工事をしましょう。