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アクリル塗料の特徴と単価

結城 伸太郎

アクリル塗料は、最も低いグレードの塗料です。現在は一部を除いて使用されることはほとんどありません。

このページでは、アクリル塗料を他のグレード塗料と比べたときの特徴や機能、メリット・デメリット、また代表的な塗料を紹介しています。

アクリル塗料はどんな塗料なのか

アクリル塗料は、合成樹脂にアクリル樹脂を使用した塗料で、ボールペンなどのプラスチック用品の塗装、プラモデルの仕上げ材として、透明の缶スプレーなどで用いられています。

30年以上前はシリコン塗料も高額だったこともありアクリル塗料は外壁塗装にも使用されていましたが、現在はシリコン塗料も安価になり市場にも出しやすくなってきました。

1液の塗料が主流で、水性と油性の2種類があります。水性は臭いが少ない特徴があり、油性は発色が良く乾燥時間が短い特徴があります。

【メリット】価格が安い

アクリル塗料の最も大きなメリットは、価格が安いことです。現在主流のシリコン塗料と比べて、平米あたり900円~1,300円程度安いです。

【デメリット1】耐久年数が短い

耐久年数が短いことが最大のデメリットです。現在主流のシリコン塗料の耐久年数が10年~15年に対して、アクリル塗料の耐久年数は、3~5年程度です。

外壁塗装は、塗料の料金と人件費や足場料金などが必要なため、短い周期で塗装を行うと、長期間で考えた場合にコストが高くなります。

【デメリット2】耐久性が低い

耐久性が低い為、ヒビが入りやすいデメリットがあります。ビビが入り建物内部に水が入ると、建物の劣化や雨漏りに繋がります。

アクリル塗料の施工単価(㎡)はいくらくらいか

アクリル塗料の平米単価は、900円~1,300円程度です。

弊社でアクリル塗料を選ばれるお客様の割合

過去1年間に弊社で使用した塗料の割合は、アクリル1%、ウレタン10%、シリコン35%、ラジカル制御34%、フッ素5%、光触媒0%、無機15%です。

こんな方にオススメする塗料です

長期的に建物を保護する必要がなく、施工料金を抑えたい場合にオススメです。例えば、数年後に取り壊す場合や、アパートなど頻繁に色を変える場合などに有効です。

ただし、施工料金に対して、塗料代の割合は大きくないので、大幅に施工料金を抑えることは難しいです。

アクリルはアクリルでもピュアアクリルは別物

アステックペイントのピュアアクリルは、不純物を取り除いて純度の高いアクリル樹脂を使用した塗料です。

一般的なアクリル塗料と性能が異なり、耐久年数が15年程度で、伸縮率が高く遮熱性能がありますまた、施工単価は、3,500円~4,000円が相場で、一般的なアクリル塗料よりも高額です。

代表的なアクリル塗料

■水性コンポアクリル(エスケー化研):単価1,600円~

優れた防藻・防かび性を発揮します。
ひびわれに追従し、中性化防止に役立ちます。
優れた透湿効果で、壁体内結露から建物を守り、環境にやさしい一液水性塗料です。

■SK水性ELコート(エスケー化研):単価1,500円~

架橋構造を有する為、耐水、耐アルカリ性に優れた抵抗性を示します。強靭で伸長性の高い塗膜が壁面からの雨水の浸入を防止します。

水性のため、安全衛生面でも安心して使用できます。

■オーデグロス(日本ペイント):単価1,300円~

密着性に優れた、1液水性反応硬化形塗料です。従来GPを越えた光沢感がある水性艶有り塗料です。

乾燥性が速く、作業性に優れています。透湿性、防藻、防カビ機能があります。

■アスカⅡ(関西ペイント):単価1,500円~

水性反応硬化樹脂という樹脂が配合されている水性アクリル塗料です。水が蒸発する事で反応硬化となり、強い塗膜を作る事が出来ます。

塗膜の光沢維持年数が長いので、ツヤ有りが好みの方にオススメの塗料です。また、乾燥時間が早いので、作業効率が上がります。

■ケンエース(日本ペイント):単価1,400円~

ヤニ・しみ止め効果と優れた付着性・汚染除去性、防藻・防かび性能を有し、VOC量1%以下に抑えた水性壁面用つや消し塗料です。

■プリーズコート(エスケー化研):単価1,200円~

刷毛さばき、塗り継ぎが良好です。レベリング性、作業性に優れています。

長期に亘り色彩、光沢を保持します。水性のため火災の危険性がなく、安全で取り扱いが簡単です。

アクリル塗料に関するよくある質問

Q1.他の塗料に比べ、ツヤがありはっきりとした色合いになると聞いたのですが、本当でしょうか?

鮮やかで発色が良い色が出やすい特徴があります。艶は、艶の種類(艶なし・3分艶・5分艶・7分艶・艶あり)によって決まります。

Q2.塗膜が固いのでヒビが入りやすいと聞いたのですが、本当でしょうか?

塗膜が固いため、下地が動いた場合にヒビが入る可能性がありますが、弾性アクリル塗料は、塗膜が伸びるので、ヒビに強い特徴があります。

Q3.浸透性が良すぎると聞いたのですが、本当でしょうか?

高い浸透性があるので、湿気が多い環境の外壁に使用した場合は、湿気が建物内部に入る場合があります。

Q4.他の塗料に比べ重ね塗りがしやすい

密着性が高い特徴があり、重ね塗りがしやすいです。ただし、油性で旧塗膜が水性の場合は、旧塗膜が溶けて縮れや剥離が起こる可能性があります。

まとめ

現在は、シリコンやラジカル制御、フッ素などの優れた塗料が出ているので、アクリル塗料は木部を除いて、外壁塗装で使用されることはほとんどありません。

ただし、アステックから発売されているピュアアクリルは一般的なアクリル塗料は別物です。

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