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艶の種類と特徴

結城 伸太郎

塗装は、塗料のグレードや色だけではなく、艶の種類によっても、耐久性や塗装後の印象が変わります。それぞれにメリットとデメリットがあるので、理解して選択する必要があります。

このページでは、艶の種類とそれぞれの特徴、注意点について紹介しています。

艶は5種類


塗料は光の反射率によって、艶の種類が分かれています。

反射率が高いほど光が正反射して、目に入る光の量が多くなり輝いて見えます。反射率が低いと光が乱反射するため、目に入る光の量が少なくなくなり、眩しくみえないようになります。

塗料の艶は、艶あり、7分艶、5分艶、3分艶、艶消しの5種類があり、反射率は、艶ありが70%、7分艶が55%~65%、5分艶が30%~40%、3分艶が10%~20%、艶消しが5%以下です。

艶を消す場合は、艶あり塗料に艶消し剤を使用して調整する方法が主流です。艶消し剤を混ぜることで、耐久性が低くなります。また、艶が無いほど汚れが付きやすくなります。

■艶あり

最も艶があり、ピカピカと太陽の光が反射して光沢のある仕上がりになります。艶消し剤を使用していないので、塗料の耐久性や耐候性を100パーセント発揮できます。艶自体は3年程度で低下しますが、耐久性や耐候性は変わりません。

■7分艶

7分艶は、艶ありよりも少し艶を落とした仕上がりですが、光沢があります。艶消し剤による耐久性の低下が少ないので、光沢がありすぎず、汚れにくさや耐久性が欲しいといった場合にオススメです。

■5分艶

5分艶は半艶とも呼ばれ、光沢が少なく艶が目立ちません。油性の半艶塗料は、艶消し剤を使用してないタイプがあるので、耐久性が低くなっていないのでオススメです。

■3分艶

3分艶は、艶がかなり抑えられているので、品のある高級感を出すことが出来ます。但し、艶あり塗料に艶消し剤を大量に使用した塗料が主流なので、耐久性が低くなります。

■艶消し

艶消しは、ほとんど艶がなく落ち着いた雰囲気になるので、和風の住宅に良く合います。艶あり塗料よりも耐久性が低く汚れやすい特徴があります。

ただし、はじめから艶消しとして製造されている塗料は、艶ありと変わらない耐久性があります。

よく使われている艶の種類


約75%の方が艶ありを選んでいます。

外壁塗装は美観の目的もありますが、建物保護を目的とした1次防水の役割が大きいので、耐久性能が高い艶ありを選ぶ傾向があります。

また、艶ありは、3年程度で艶消しと同等の艶になり、落ちついた雰囲気になるのも、選ばれる理由の1つです。塗装直後から艶消しの高級感を出したい場合でも、艶が少しある5分艶や7分艶がオススメです。

それぞれのメリット、デメリット

■艶ありのメリット

艶ありのメリットは、耐久性が高いです。艶消し剤を使用していないので、塗料の耐久性が劣化して製造されることがありません。また、艶があるため、劣化の原因となる埃やカビ、藻などが付着しにくいです。

■艶ありのデメリット

艶ありのデメリットは、艶が3年程度で消える点と、上品さが無い点です。

艶は3年程度で消えるので、埃やカビ、藻に強いといった特徴も無くなります。また、壁面によって、日光があたる時間に差が出来るので、艶のムラが出て美観を損ねる場合があります。

また、個人の主観がありますが、艶があるとピカピカしすぎるので、上品さに欠けて眩しく目立つといわれています。

■艶消しのメリット

艶消しのメリットは、落ち着いて高級感が出る点です。周囲の景観に良く馴染み、和風の建物に良く合います。

■艶消しのデメリット

艶消しのデメリットは、艶ありと比べて耐久性が劣ります。但し、最初から艶消しとして製造されている塗料は、艶ありと耐久性が変わりません。

塗膜の表面に小さな凹凸を作って、光を乱反射させて艶を消すので、ザラザラとした表面になって汚れやすいです。また、艶消し塗料に油性はなく、全て水性塗料になります。

塗装するときの注意点

■艶の有無は塗料によって違う

艶消しは、艶ありに艶消し剤を入れて作り、塗料毎に艶消し剤を混ぜられる上限が変わります。そのため、塗料によって、どこまで艶を消せるかが変わります。

■艶の言い方の違い

一般的に3分艶という表現は、3分の艶があることを指します。但し、業者によっては、3分だけ艶を消したと解釈する場合があるので、注意が必要です。解釈の違いがあると、3分艶を指定したはずが、7分艶の指定になります。

■仕上がりがイメージと違う

色見本や試し塗りなどの小さい面積を塗装した場合よりも、建物全体を塗装した場合の方が、太陽の光を良く反射するので、艶が出て眩しいと感じます。

艶を決める場合は、建物全体に塗装した場合により艶が出て、眩しく感じることを考慮する必要があります。

まとめ

艶ありと艶消しは、それぞれメリットとデメリットがありますが、8割程度の方が艶ありを選んでいます。

理由として、外壁塗装の最も重要な目的である建物の保護に優れている点と、3年程度で光沢が消えて、艶が落ち着くという点があげられます。

和風住宅などで艶を抑えたい場合は、艶消しのデメリットを良く理解して選択する必要があります。

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