山形県山形市某企業様|屋上塩ビシート防水改修工事(S-M2工法)
鉄骨造屋上塩ビシート機械固定式防水改修工事(S-M2工法)
屋上から雨漏りがしているという事でお問い合わせをいただききました。既存は加硫ゴム系シート防水と言って、昔は新築時によく使われる安価な防水シートです。
この防水シートの一番の弱点は入隅の膨れです。特に山形の寒暖が激しい地域ですと、ゴムが膨張と伸縮を繰り返し引っ張られ浮いてしまいます。
浮いた部分は切開して下地補修しますが、塩ビシートの機械固定工法は被せ工法で下地の全面撤去が必要ないため、既存シートの全面撤去と処分費のコストを削減でき、長期に渡り防水効果を維持できます。
さらに加硫ゴムシートはトップコートが必要なのに対し塩ビシートはトップコートが不必要なため、4~5年毎のトップコート塗り直しも必要ありません。
ご提案時にそれらをご説明し採用されました。弊社では1級塩ビシート防水技能士は4名在籍しております。
施工前後の写真
建物種別 | ビル |
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- 施工後の感想
- 連日真夏日を超える暑さの中での作業となりました。施主様の会社内では皆さんご多忙にも拘らず、冷たい飲み物を毎日用意してくださりとても助かりました。
塩ビシートの機械固定工法は今や信頼度が高い防水工事の一種と思っています。実際に10年前に施工した建物も未だ何事もなく健在しています。
しかし、ディスク板やフラットバーを取り付ける際には下地に穴を空ける作業があり、その時は大きな騒音も出ます。施工前にその旨お伝えはしているものの、大変ご迷惑をお掛けしたと思います。
マンションやアパートですと、夜勤の方も居たりするため、特に屋上付近の入居者とは緻密な連絡と通達は必要かと思います。
しかし雨漏りはあってはならないもの。屋上や屋根が存在する限り、防水工事の技術と正しい施工方法は守っていかなければならないと思います。
この度は数ある会社から弊社を選んで頂き誠にありがとうございました。今後もアフターケアに努め見守っていきたいと思います。
- 仕様書
- ■屋上平場
塩ビシート機械固定式防水改修仕様(S-M2工法) ロンプルーフエース
■屋上立上り
塩ビシート密着仕様(S-F2工法) ニューベストプルーフ
■脱気筒
ステンレス脱気筒
■屋上立上りアゴ
ウレタン塗膜防水密着工法(X-2工法) DPツーガードゼロ
■機械架台
ウレタン塗膜防水密着工法(X-2工法) DPツーガードゼロ
■立上り笠木
2液型変成シリコンシーリング MS2500
写真ギャラリー
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施工前全景
立上りの入隅部を見てわかる通り角が浮いている状態でした。さらに破断した部分にパッチのようなテープを当て補修されています。
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立上り部分施工前
カーテンウォールから続く笠木はシーリングも破断してました。立上りアゴはモルタル仕上げだったのでこちらも塗膜防水で施工します。
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屋上の機械架台施工前
前に機械設備が載っていたであろう架台です。こちらは塗膜防水で施工しますので本物件は複合防水となります。
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立上りの出隅 下地状況
このようにいたる所にパッチのようなテープが張ってありました。長年雨漏りに悩まされていたのだと思います。
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高圧洗浄 施工中
まずは全面を高圧洗浄機で水洗いします。特に機械架台や立上りのアゴはモルタルなので入念に洗います。
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立上り防水シートの撤去
カッターで切れ目を入れながら立上り部を撤去していきます。このゴムシートは結構簡単に剥がれてしまいます。
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既存シーリング撤去
立上りのアゴや笠木付近のシーリングはすべて打ち替えしますので、すべて撤去します。
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平場 絶縁シート張り+ディスク板設置
平場にラジアルシートという絶縁シートを張り、決まった割り振りでディスク
板をビスで固定していきます。 -
平場入隅をフラットバーで固定していきます
このフラットバーとディスクは表面に特殊な加工がしてあり、溶着材や特殊な機械を用いてシートと直接接着させる個所となります。
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平場 防水シート張り完了
平場の防水シート張りが完了しました。続いて立上りの防水工事に移ります。
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立上り 塩ビシート張り施工中
立上りは機械固定ではなく密着工法となります。下地に接着剤を塗りながらタイミングよくシートを貼っていきます。
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立上り シート貼り後転圧
密着工法の部分は転圧ローラーでしっかりと圧着させます。手で撫でるだけではしっかりとくっつきません。
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立上り 端末押さえ
平場と立上りのジョイント部などはライスターと呼ばれるヒートガンでシートを溶かしながら接着していきます。
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平場 機械固定施工中
誘導加熱装置、通称IHでディスクの部分を溶着していきます。電子レンジのように一定時間でピーと信号が出て溶着完了となります
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平場 ジョイント部液溶着+シーリング
ジョイント部をすべて溶着材で再検査していき、最後にシール材でジョイント全箇所に充填します。
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脱気筒設置
屋上の平場に脱気筒を設置していきます。脱気筒は下地の蒸気や空気を逃がす装置となります。
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機械架台の下地処理
平場のシート防水が完了した後で露出の機械架台を施工していきます。まずは欠損部やクラックの補修です。モルタルで綺麗に成形します。
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ウレタン防水用の補強メッシュ伏せ込み
機械架台はウレタン塗膜防水で処理します。密着工法なのでX-2工法と呼ばれる仕様です。
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トップコート塗布中
ウレタン塗膜防水を2~3回塗布し厚みを付けたら最後にトップコートを塗って完了となります。
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機械架台防水完了
機械架台は下地の屋上と分離していることもあり、その際は一旦どかしたりして防水工事を行うのですが、一体化している場合は同じ防水材で巻き込むしかありません。
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立上り 防水工事完了
立上りシート防水、アゴの塗膜防水、笠木のシーリング打ち替えすべて完了となります。
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立上り 端部アルミ押さえ金物取付
最後に端末部にアルミ製の押さえ金物を取り付け、その金物の上部にシーリング材を充填して完了となります。
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防水工事完了
全ての工事が完了しました。綺麗に生まれ変わり、雨漏りも止まりました。
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防水工事完了
最後にドレン配管に続く融雪装置を新品に交換しました。山形でこの装置が壊れたまま防水改修するとさらにひどい雨漏りが起こります・・・。
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ここがPOINT!
本来機械架台も塩ビシートで巻き込んでも構わないのですが、機械架台は角が多く、狭小部面で成り立っています。塩ビシートの密着は接着材に依存しており、接着剤の量が少なければ当然密着も弱くなります。シームレスに確実な防水を行うとすれば、このような小さいものはどうしても塗膜防水の方が信頼度が高くなりますので、今回は塩ビシートと相性も良いウレタン塗膜防水にて複合的な防水工事としました。
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